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Innovator's Accelerator

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ソフトバンク・テクノロジー株式会社

上原 郁磨 様
営業統括 公共営業本部 副本部長 / 兼リデン株式会社代表取締役 / 兼アソラテック株式会社取締役
 1979年、長野県生まれ。東海大学卒業後、アイカ工業株式会社に就職。06年ソフトバンク・テクノロジー株式会社入社。新規開拓営業、ソフトバンクグループ向け営業を経て、公共団体向け事業の立ち上げに従事。15年、子会社のアソラテック株式会社取締役に就任。16年、農業ICT子会社のリデン株式会社を創設し代表取締役に就任。17年より、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科およびソフトバンクグループを担う後継者発掘・育成を目的とした「ソフトバンクアカデミア」在学中。

業種 IT・通信
企業規模 501~1,000人
対象者層 管理者層
導入サービス Innovator's Accelerator

情報革命で人々を幸せに ~技術の力で、未来をつくる~

同社は、「情報革命で人々を幸せに ~技術の力で、未来をつくる~」という経営理念を掲げ、これまでも大小様々なイノベーションを起こしてきた。
「新しいことを考えるのが好きとかではなくて、最低限やらなきゃいけないのがイノベーションだった」と語る、同社の上原さんにイノベーションについてお話を伺いました。また、上原さんにはイノベーターズ・アクセラレーター®にも取り組んで頂きましたので、その感想もお伺いしました。


―ソフトバンク・テクノロジーの会社紹介をお願いします。

 当社は「情報革命で人々を幸せに ~技術の力で、未来をつくる~」という経営理念のもと、クラウドの技術力と実績を強みとして、お客様にとって単なるベンダーではなくてビジネスパートナーとしてお客様とともに社会に貢献していくことを目指しています。

 当社は、1999年に日本証券業協会に株式を店頭登録しまして、その後、東京証券取引所市場第二部上場を経て、2006年には東京証券取引所市場第一部に指定されました。幸いなことに、当社は今日に至るまで一度も赤字に陥ることなく事業を進めることができています。このような中、2012年1月に阿多親市が当社顧問に就任し、その後、株主総会を経て同年6月に代表取締役社長に就任しました。

 阿多の社長就任後は、「データアナリティクス」「セキュリティソリューション」「クラウドソリューション」を注力事業として位置づけ、現在では売り上げ構成比の4分の1を占めるまでになりました。また、注力3事業をクラウド上で融合させたソリューションの提供や、IoTビジネスの開発にも取り組んでいます。さらに、社員の積極採用や人材育成にも力を入れています。

情報を集め、配信し、守るという強みの形を変えてきた

―上原様の役割、主なお仕事、ご経歴などについて教えてください。

 最初に入った以前の会社では2年半、新規開拓営業をしていました。2006年から私はソフトバンク・テクノロジーにいます。そこから外販といって、ソフトバンクグループ外への営業を展開する新設部門がスタートしました。その後、ヤフー等のソフトバンクグループ向けの営業を経験する中で、私たちの強みは何か、ということをずっと考えていたんです。そうしたら、私たちは情報を集める、配信する、守るというのが強みで、この三つでビジネスが成り立っていることが見えたタイミングがありました。そして、それをいろんな形に変えていきました。

 それがタイミングよく公共のビジネスにもマッチして、横展開していったような形です。このような中で私も公共ビジネスに携わり、当社のビジネスに貢献することが出来ました。その成果の一つとして、 2016年6月に当社は米マイクロソフト社より「2016 Microsoft Worldwide Partner Award」の「Public Sector-Government」部門で表彰されています。私個人としても2012年に最初の社長賞を受賞、そこからは毎年統括賞や、社長賞を受賞してきました。その後、2016年7月に子会社として農業ICTサービスを提供するリデン株式会社を設立し、私が代表取締役に就任しました。

最低限やらなきゃいけないのがイノベーションだった

―貴社における「イノベーション」の重要性、テーマ感について教えてください。

 イノベーションについて話をすると、まず自身がイノベーティブな働きかけをできたかなと考えているのは2013年から2014年にかけてです。農業は国の政策の大きな柱として位置づけられておりますが、旧来より農地情報を管理する市場があり、業界として変革の時期を迎えておりました。政府の制度も変わり、業界が変わる、いわゆる破壊的イノベーションが起こりました。

 ソフトバンク・テクノロジーは、2014年に農地情報サイト「農地ナビ」の制作を受注しました。農業の競争力引き上げに向けた規制緩和が検討される一方で、農業への新規参入及び規模拡大ニーズに迅速にこたえられる環境整備が求められています。農地の見える化という点で、私たちが農業分野で初めてICTを活用してイノベーションを起こした部分です。

 この経験をもとに、情報を使ったビジネスを、と考え、農業系の情報を使うビジネスを立ち上げました。私たちの会社では、ビジネスコンテストや、アントレプレナーという新規事業を創造する責任者のためのトレーニングみたいな選考会があるんです。いろいろ試せる機会として、私は選考会に出場し、優勝するという経験もさせてもらいました。


―イノベーションの転機になったのは、役割的なものですか? それとも、やりたいという思いですか?

 会社として守りではなくチャレンジにシフトしているところ、経営側に非常に速い決断と方向性を判断していただけるというところが他社とは異なるところです。会社を大きく成長させるために、新しいビジネスの提案も受け入れられやすい環境が整っていると思います。そして私自身が実績で物語っていけるようになったことで、よりチャレンジがしやすくなりました。そこが転機だったかなと思います。


―元々、新しいことをやりたいというモチベーションが、上原さん自身は強かったんですか?

 モチベーションが強いというより、当然営業なので、目的を果たすために「これをやったら売れる」という思考が強くありました。新しいことを考えるのが好きとかではなくて、最低限やらなきゃいけないのがイノベーションだった、というのがあります。普通のことをやっていたら、普通の数字しかいかないので、圧倒的な数字を出すには最低限必要なのがイノベーションでした。

 イノベーションの定義や規模の大中小さまざまな考え方があると思うんですけど、圧倒的に業界を変えるようなイノベーションもやりましたが、小さなことでもイノベーションはイノベーションです。市場に対してのイノベーションだけではなく、自社組織に対してのイノベーションもあるかもしれないと思っています。

 私の部門は、公共ビジネスのIT市場において2013年からスタートしており新参者です。国の仕事なので、何十年も公共ビジネスをしている会社もあります。そういう領域で、戦うこと自体がイノベーションだったのではないかと思っています。後発で、昔からある大手企業、半官半民のような国に近い企業がいっぱいいる中で勝っていくには、絶対にイノベーションしかない。そういった発想が必要でした。今までになかったニーズが絶対にある。案件の性質の抽象度を少し上げて本質的に物事を捉えることで、昔からあるビジネスにおいても、実は気づけば、ほんの少し提案の軸をずらせば、っていうことっていっぱいあるんですよね。それをメンバーと共にうまく調整していくことによって、進めたプロジェクトは、ほぼすべて成功をおさめました。

感覚ではなく、共通言語で組織の課題を解決

―上原さんが今、組織において感じている課題感は何ですか?

 部下とのコミュニケーションや指導が感覚的になっていて、ビジネスの基礎を体系立てて要素分解したような共通言語を持てていませんでした。共通言語で会話ができるかどうかってすごく重要ですよね。「あれ」と言ったときに、同じ言語でビジネスを語れるかどうかは重要で、だから今回このプログラムを受けて、まずそういう共通の言葉が使えるようになるなと思いました。
それから、動機づけですね。例えば、ここは得意なんだけど、こっちは全然得意じゃなくて、外から情報をとらなければいけない時があります。でもだからと言って「外に行け」っていう業務命令はしないんです。なぜなら、「自分がこれをやりたい、こうなりたいから」と思うから初めて動くのであって、「ここを学ばないといけないな」と気付かせられなかったら、その人は動きません。押しつけとは学ぶ吸収力が違います。そういうのって上から言っても感じにくいところなんです。

 だけど、こういう動機づけを第三者が言ってくれることによって、そういう活動が促せればそれはベストですよね。そして共通言語化をすることで、より動機づけもしやすくなります。

 何より、能動的に動くきっかけをつくることが重要かなと思っています。思った通りに物事はいかないけど、きっかけづくりは重要。気付くかどうかって、結局誰かに教わらないと気付かないけど、身近な人に聞いてもダメだと思っています。そもそも私たちの環境は凝り固まっているから、外からのイノベーションを与えないといけなくて。違うことをやらないといけないというのはそういうことなんです。

 今回、うちの部下にもイノベーターズ・アクセラレーターを受けさせたいと思った背景があります。例えば、課題があると言われた時に、その課題をどうにかしなきゃ、ではなくて、その課題の根幹は何か?それは本当の課題なのか?と掘り下げないといけないんです。そうすると、実は違う理由があって、結果このかたまりになってる、ということが多くあるので、そこに気付けるようにならないといけないんです。そういう一個のテーマでも盲目にならずに教育していきたい、というところで受けさせたいと思いました。

 そうすると、社内での発言も戦略についての発言も、全然違う発言になってきます。もしかしたら今ある市場だって、本当は違う市場にできるんじゃないのか、と思えてくるでしょうし。例えば今ある市場も実は他の市場とくっつけたら新たな市場ができ圧倒的に勝てるんじゃないか、とか。だから市場という考え方もないのかもしれません。

 まず、誰が何を解決したいかだけ考えることです。誰がどう嬉しいのか、なんでそれが嬉しいのか、だけを突き詰める。私たちはこういうサービス持っています、だからそれを売りましょう、というのはありません。会社としてサービスは当然あるけど、お客様は知ったこっちゃないんです。

前例は気にしない、今の自分たちに必要かどうかだけ

―イノベーターズ・アクセラレーターは、日本ではまだ事例のないサービスですが、どのような点に魅力を感じましたか?

 事例は全然気にしていません。今の自分たちに必要かどうかだけです。

 例えば私たちがビジネスする上で考えているのは、「普通」とは何なのか?ということです。「過去はこうでした。」という発言をする人もいますよね。だけど、過去がそうだったから、今、関係あるとは限らない。今の状態で物事を考える。なので、日本で事例があるかどうかなんて必要ないと思っていました。

部下に何を与えてあげればいいか、というのを視覚的に理解できた

―イノベーターズDNA診断を受けて頂きましたが、結果を見てどう感じましたか?

 結構自分と部下の結果に違いがありましたね。だから、部下に何を与えてあげればいいか、というのを視覚的に理解できました。例えば、部下の一人に創造性への自信がないという結果がありました。そうすると、自信ってそもそもなんだっけ?ということが定義できます。経験がない自信なのか?周りの敵が多すぎて自信が持てないのか?仲間が少ないのか?支援してあげたらもしかしたらできるのか?など。

 あのテストを受ければ、こういうケーススタディが想像できるようになります。

 それが、なぜ足りないかという部分を何で補えばよいかという目安になるので、そういう目安としてはいいかなと思います。診断結果を見てやっぱりそうだな、と思うこともありました。「だから彼は、こういう課題にぶち当たったとき、突破できないんだ」って思ったりもしました。

 面白いぐらいにいろいろ思い浮かびましたね。めちゃめちゃ面白いので。このテストだけでも価値があると思います。

質問が全ての行動のスタート

―このプログラムの受講者に期待する変化は何でしょうか?

 変化という意味で重要な要素がこのプログラムの中には5つありますが、まず最初に行動を起こしてほしいのは、質問です。質問が全ての行動のスタートだと思っています。
なぜ、必要だと思っているのかというと、営業は上手な提案が重要だと言う人が多いと思いますが私はそう感じていません。まず、聞かないと提案できない。実は最初のビジネスのスタートって質問だと思うんです。なので、質問ができるか、できないか。これが全てです。質問力がついてくれば、報告を聞くだけで、成長したかどうかというのもすぐに分かります。
だから、ここで学んでほしいのは、質問力をまず最初につけてもらうこと。このプログラムを受ければ、質問の方法が変わるはずなので、そこを学んでくれると非常に良いですね。質問力が上がれば、他のネットワーク力とか、実験力とか、関連づける力も伸びるはずだと思っています。


―どのVTRでも質問が必ず出てきますよね。

 そう、質問できれば分析ができて、質問できれば計画も聞くことができて、全てに影響すると思うんです。質問がうまければ、自分が考えていることの答えも簡単に導き出せるので、業務スピードもグンと上がります。

イノベーターズ5スキルの中で、最も必要だと思うスキル

―イノベーターズ5スキルの中で、最も必要だと思うスキルは何ですか?

 まず質問するスキルですね。でも意外とネットワーク力も重要だと思っています。優秀な方々と会話をするためには質問するスキルは必要なんですが、一つ上のステップに行くには、上のステップに最初に入ってしまえばいいんです。すると、あとから今やっていることってたいしたことがないことに気付くことができるんですよね。なので、上のステップのところにまず入るべきだから、そのために必要なのがネットワーク力なのかなと思っています。ネットワーク力があれば、いろんな気付きが得られます。「この人、質問上手だな」とか。「観察力あるな」とか。「あ、そういう視点でニュースを見てるんだ」とか。そうすると関連づける力がついたりしていきます。つまり、ネットワーク力から全部のスキルが底上げされると思うんです。なので、意外とネットワーク力って重要かなと思っています。伸ばしたいのは質問力なんだけど、重要だと思うのはネットワーク力かもしれないですね。

人事部門がイノベーティブになると組織が変わる

―どんな組織にこのプログラムはお勧めできますか?

 人事部門ですね。人事は人材の入り口だからです。

 営業にイノベーションを求める前に、人事がまずこれをやれば、さらにイノベーティブな良い人材を発掘する感覚が培われると思います。ビジネスの入口と出口は人事なんです。
人事部門がまずこのプログラムの価値を知らないと、社員向けの教育プランも作れません。だから、営業がこのプログラムをやるっていうのは絶対良いと思いますが、組織やプロジェクトにもイノベーションを起こすのなら、まず人事にこのプログラムを導入すべきだと思います。

 採用の仕方だって、画期的な方法を考えればいいわけです。普通にやっていたら、同じ土俵で人を取り合うだけだから、そんな無駄なことはないですよね。普通のやり方じゃなくて、イノベーションについて人事が考えることができれば、もっと違う方法を探すはず。そうしたら企業には、もっといい人材が入るから絶対伸びる。なので、絶対人事だと思いますね。絶対やるべきです。

最後に、上原さんが思うイノベーションに必要なこと

―最後に、上原さんが思うイノベーションに必要なことは何ですか?

 まず最初に絶対必要だと思うのは、ネットワーク力です。そして、なんのためにネットワーク力が必要か、ということに気づけるかというのも大事だと思います。そういう意味では、このプログラムを受けることで自分がどういう人物になりたいかという目標を持つきっかけになればいいと思っています。自分自身が見えていないものは、実現しないし、そこに向けて成長もできないですから。

 例えば営業が難しいと言われるのは、体系立てることがなかなかできないからです。体系立った考え方を確立するのに何年かかるかわかりません。一生確立できない方もいるかもしれません。でもイノベーターズ5スキルには確立すべきポイントがまとまっているから、この5つのスキルの何が足りないかのバランスだけを見ていけばいい。イノベーションを起こそうとするなら、まずこの5つのスキルのバランスを自分で把握することが必要です。まず自分の能力の可視化が最も重要で、その中で自分の能力を一段上に上げるためにはネットワーク力が必要であると私は思っています。

 あとはこの5つのスキルを軸に、人の会話を聞いて学んでいけばいいんです。その出会いの中から、質問の仕方や人の話を聞くという観点でも、この5つのスキルを意識する必要があって、そこが最もイノベーションに重要なところだと思っています。それが高まっていくと、いくらでも物事が考えられて、「こういうビジネスがあるから、うちにもこうやって使えるよね」といった新たな視点を持つことができるのではないかと思います。

 そしてもう1つ重要なことは、社内社外問わず、自分の考えていることを人に伝える術を持っているかどうかだと思っています。つまりプレゼンテーション能力ですね。「自分はすごいことを考えています。だけどプレゼン力=伝える力がない」だと、説得力がないじゃないですか? どの順番で会話をすべきか、何のために何が必要で、というところをちゃんと順序立てて、正しく伝えられるかどうかで、自分の見られ方が変わってきます。社内を巻き込む時にも、説得力がないと当然突破できないし、お客さんに対しても、説得力のある人じゃなければ信頼できない。
だから実は、伝える能力ってすごく重要で、それがあれば多少の困難はあっても、「こうだから!」というきちんとした説明で動いてもらえる。だから、自分の考えを正しく伝えられるか、というスキルがまず壁を乗り越える上で重要だと思います。イノベーターズ・アクセラレーターをやった後は、プレゼンテーションのスキルも身につけた方がいいと思いますね。考えることができても、アウトプットできないと意味がないので。それができてくると、結果もついてくる。プレゼン能力がつけば、社内でも正しく評価されるし、評価されると人はモチベーションが上がる。そうするとまたいい効果が生まれる。そういう人がお客さんからもアクティブに思われ、期待と信頼を得られる。そこは結構重要な気がしますね。


―上原さんご自身が、これから目指していくことはどんなことですか?

 莫大にあって、あり過ぎて困っています(笑) 社会問題を解決する仕事はずっと携わっていきたいと思っています。なので今、直近のビジネスとしては、人の安心・安全、地方創生に貢献できるものをもっとシンプルに考えて、それをITで解決していくというのがやりたいことです。そして日本だけじゃなくて、アジアや、アフリカなどの発展途上国に対しグローバルに考えてやっていきたいですね。

 もう一つ、最終的には、営業のトレーナーをやりたいと思っています。おじいちゃんになったら(笑)私自身も道半ばで偉そうなことは言えない立場ですが、ここまで非常に苦労してきました。苦悩し、そこから抜け出せていない人たちに抜け出すヒントを伝授していく仕事はしたいなと思っています。


―伝えるということが、上原さんの人生のテーマでもあるんですね。ありがとうございました!

COMPANY DATA

ソフトバンク・テクノロジー株式会社

〒160-0022 東京都新宿区新宿六丁目27番30号 新宿イーストサイドスクエア17階
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