こんにちは、FCEトレーニング・カンパニーの豊川です。
これまでのメルマガでは「成果を出し続けるチーム」が行っている効果的な活動設計の仕方として、
3つのポイントをお伝えしてきました。
1、「急所を押さえる考え方」を持っている
2、「計画修正の仕組み」を持っている
3、「徹底的な具体性」を持っている
この3つのポイントでしたね。
そして、前回は、KPIマネジメントと効果測定指標の違いについてお伝えしました。覚えていらっしゃいますか?
さて今日は、また別のお客様から受けたご相談のお話です。
「とあるメーカーの専務」からのご相談でした。 (「A専務」とお呼びしましょう。)A専務は、営業部門の担当役員なのですが、こんなことがあったそうです。
ある営業会議の前に届いた1通のメール
A専務:毎月の営業会議は課長全員とやっています。ある営業会議の前に、私の元に1通のメールが届いたんです。
少し読んでみると、どうやら、営業会議に参加する課長陣だけのメールのやり取りに間違って私のアドレスも入っていたようで…
課長陣だけで共有されていたメールが私にも届いてしまったようでした。
営業会議前に、課長たちで準備をしていると思ったのですが、
「身を守るためのExcel共有します」というメールのタイトルに目がとまりました。
「ん…? 身を守るためのExcel?」
と思い、添付ファイルの内容を見てみると、、、添付ファイルの中身は全部で3つのパートに分かれていました。
① 市場分析
② 競合分析
③ 自社分析
お?関心関心、3Cでちゃんと分析してるのか!
と、
喜んだのもつかの間。
よく見ると、、、〇が付いている箇所に、こんな記述がありました。
注1)専務の怒りポイント(市場)
他社の導入実績を聞かれ、細部まで答えられなかったら「キミはそんなことも知らないのか?」と同行でブチ切れた実績あり。
注2)専務の怒りポイント(競合)
顧客の工場の敷地内同行中「あの建物は何だ?」と聞かれ答えられないとキミは顧客のことに興味ないのか!とブチ切れられた。
…なんと、私がこれまでに部下を怒った実績や注意したタイミングがこと細かに書かれていたんです。
部下を怒った実績や注意したタイミングがこと細かに…
ここまでの経緯を、一気に話してくださったA専務がさらに続けます。
A専務:パワーポイントもついていたので、恐る恐るプリントアウトしてみると、1支店当たり約50ページのボリューム…私が会議や同行の場で「気になるポイント」を中心に資料が作られていたのです。
この資料を見たときに、そういえば、こんなうわさを聞いたことがあるなと、思い返していました。
「会議前に、課長陣がやたらと長い時間資料を作っている」
「月次会議の前は、課長に依頼される資料作成ばかりで営業する時間が取れない」
事前に調査することは本当に素晴らしいことですよね。しかし、その情報は営業会議や営業活動にはほとんど活かされていません。
それもそのはず、私から質問されたときに自分たちが
怒られないために資料を作っているだけだったからです。
この
「身を守るためのExcel」を見て、よくよく考えると、ウチの課長陣は、目標を達成しなかった時にやたらと雄弁になる。
そして、その「言い訳」が上手であれば、なんとなく目標達成をしていなくても、OKになってしまう風土がある。そういった組織の課題にも気づかされました…。
目的を見失った行動の果て…
A専務は
「身を守るためのExcel」にかなりショックを受けている様子でした。
でも、この件からA専務は、ご自身のマネジメントや組織に課題があるのでは?と思われ、ご相談くださったのでした。
「豊川さん、私はマネジメントを間違ってしまったんでしょうか?」
「営業において見るべきポイントを教えようと思って、妥協せず「確認」していたつもりだったんです」
「どうやら、部下はそのことを営業活動に活かすのではなく、私に怒られないためにどうするか、と考えるようになってしまったようですね」
いったい、なにが間違っていたのか?
管理職の皆さまにとって、厳しい態度で「指導」や「指摘」を行わなければならない場面がきっとあるはずです。
厳しい態度も、上司からすると、部下のことを考えているからこそですよね。しかし、マネジメント現場では、その真意がきちんと伝わらず、残念な結果になることも。
A専務のような状況はかなり 「レア」なケースだと思いますが、どうしていればよかったのでしょうか?
また、なにがあれば、本来の目的のために情報収集を上手く現場で活用できるのでしょうか?
豊川でした。