03-5908-1410月〜金曜 10:00〜17:30

  • HRレポート
  • 2021.09.19

エンゲージメントとは|意味や向上の効果、教育で高める方法を解説

近年、さまざまなメディアや講演会、セミナーなどで、「エンゲージメント」という単語を見聞きする機会が増加しています。エンゲージメントは「人手不足」が叫ばれる最近の日本において重要な概念ですが、実はあまり詳しく理解していないという経営者・人事担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
従業員のエンゲージメントの向上は、「離職率の低下」「顧客満足度の向上」「業績の向上」に結び付きます。企業が成長を続けていくためには、エンゲージメントの意味を深く理解したうえで、従業員のエンゲージメントを向上させる取り組みを実践しなければなりません。
そこで、本記事では、企業の経営者や人事担当者に向けて、エンゲージメントの意味や、従業員のエンゲージメントを向上させることで得られる効果、社員教育・研修で高めていく方法について徹底解説します。

【目次】

エンゲージメントとは?

エンゲージメント(engagement)とは、「約束」「契約」「債務」「婚約」「雇用(雇用契約)」「(歯車などの)かみ合い」といった意味を有する英単語ですが、近年、人事領域やマーケティング領域でも頻繁に使われるようになりました。

一般的に、人事の領域では「愛社精神」や「従業員と会社の絆」、マーケティングの領域では「顧客と企業の繋がり」というニュアンスで、エンゲージメントという単語が使用されます。本記事においては、「従業員の会社に対する愛着」という観点から、エンゲージメントについて詳しく解説していきます。

 

企業におけるエンゲージメントの定義

上述した通り、エンゲージメントという単語はシチュエーションによってさまざまな使われ方をしますが、企業の「人事」におけるエンゲージメント(いわゆる「従業員エンゲージメント」)の定義は、「自社に対する思い入れ、愛着心」「愛社精神」となります。

従業員が会社に愛着を持ち、理念・方針に共感するようになれば、自発的に「会社に貢献したい」と思うようになるでしょう。従業員と企業が一体となって互いに成長していくことが可能になり、企業経営にプラスとなる効果があるため、近年、多くの企業が従業員エンゲージメントを高めるための取り組みを実践しています。

 

「従業員満足度」「ロイヤルティ」との違いは?

従業員エンゲージメントに似た用語として、「従業員満足度」や「ロイヤルティ」があります。従業員エンゲージメントとは意味が異なるので、混同しないようにご注意ください。以下、これらの用語の意味の違いについて説明していきます。

 

従業員満足度との違い

従業員満足度とは、「労働環境」「人間関係」「福利厚生」といった面から見た「居心地の良さ」を意味する用語です。なお、従業員にとって居心地が良いからといって、必ずしも企業業績が向上するわけではありません。

それに対し、従業員エンゲージメントは、従業員と企業の相互作用によって企業が成長し、最終的に業績向上に結び付くことを重視した概念です。従業員満足度を高めることは重要ですが、それだけでは企業の業績向上に結び付かないことにご留意ください。

 

ロイヤルティ

ロイヤルティ(loyalty)とは、「忠誠心」という意味の英単語です。長らく日本企業では、「新卒で入社し、年功序列で昇進し、定年まで勤める」という仕組みのもと、従業員に対して絶対的な忠誠を求める傾向が強く見受けられました。

従業員のロイヤルティの高さが企業業績の向上に資するケースもあります。しかし、主従関係に基づく上意下達の意思決定・実行となるため、ロイヤルティばかりを重視していては、「上からの指示を待つだけ」という受け身の姿勢になりかねません。

それに対し、従業員エンゲージメントは、従業員が一方的に会社に忠誠を誓うのではなく、従業員と会社が互いに絆を育み、共に成長していくことを重視した概念です。従業員が「指示待ち人材」になるのを防ぐためには、従業員エンゲージメントを高めて、従業員自身の判断力を育てていく必要があります。

 

従業員のエンゲージメントが注目されている背景

従業員エンゲージメントが注目されている背景には、「労働人口の減少に伴う人手不足の深刻化」と「働き方の多様化」があります。それぞれについて、詳しく説明していきます。

 

労働人口の減少に伴う人手不足が深刻化

現在の日本では労働人口が減少し続け、人手不足が深刻化しています。また、従来の「終身雇用」という働き方が崩壊しつつあるなか、人材の流動性が高まり、より良い環境を求めて転職するケースも増加しました。

このような状況のもと、優秀・有望な人材を流出させないための施策として、従業員エンゲージメントを高める取り組みを実践する企業が増えています。

 

多様な働き方が生まれる

近年、頻繁に見聞きするようになった「ダイバーシティ」(diversity)という英単語。「多様性」という意味の用語ですが、経済のグローバル化が進むなかで「多様な人材を企業に包摂すること」を指して、「ダイバーシティ経営」と呼ぶようになりました。

多様化する顧客ニーズに対応し、厳しい国際競争を勝ち抜くためには、従来の「会社が従業員に対して絶対服従を求める」というやり方では対応しきれません。多様な価値観、属性(年齢、性別、人種など)、経験、感性を持った人材を確保・定着させ、それぞれの能力を最大限発揮させるダイバーシティ経営の実践が不可欠です。

多様な人材を確保し、イノベーションを創出するためには、多様な働き方を容認する必要があります。同時に、従業員各自が主体的に考え、行動しなければなりません。このような状況のもと、従業員と会社の絆を深め、相互に成長していくことを可能にする従業員エンゲージメントが注目されています。

 

従業員のエンゲージメント向上でもたらされるメリット

従業員エンゲージメント向上でもたらされるメリットは主に「離職率の低下」「顧客の満足度向上」「業績の向上」の3つです。以下、各メリットについて説明していきます。

 

離職率の低下

従業員にとって「高い給与」は魅力的です。しかし、給与の額だけで定着率が左右されるわけではありません。従業員の定着には、「この会社で働きたい」「この仕事がしたい」という気持ちを呼び起こすことが重要です。

従業員エンゲージメントが向上すれば、仕事に対するモチベーションが高まります。また、従業員と会社の絆が深まり、信頼関係が充分に醸成されていれば、「転職したい」と考える機会が減ります。少子高齢化による人手不足が深刻化するなか、優秀な人材を定着させ、離職率低下を実現するためには、従業員エンゲージメントを向上させる取り組みが不可欠といえるでしょう。

 

サービス品質が上がり顧客の満足度が向上

従業員が会社に愛着を持ち、理念・方針に共感すれば、モチベーションがアップし、自発的・主体的に考えて行動するようになるでしょう。そして、仕事に「やりがい」を見出すようになり、プライドや責任を持って、最後まで手を抜かずに成し遂げようとする姿勢に繋がります。

その結果、上司から一方的に命令されて仕事をするよりもサービスの質が上がり、顧客満足度の向上を期待できます。

 

業績の向上

従業員エンゲージメントの向上によって、市場価値の高い優秀な人材が定着すれば、新しい製品・サービスを創り出す原動力になります。また、能力が高い人材だけではなく、会社を支えるあらゆる人材のサービスの質が上がれば、顧客満足度がアップし、企業の業績向上を期待できます。

企業が成長を続けていくためには、従業員エンゲージメントの向上に取り組むことによって、従業員一人ひとりが企業理念・ビジョンに共感する状態を実現し、信頼関係を深めていくことが不可欠です。

 

研修によって従業員のエンゲージメントを高めるには?

従業員エンゲージメントに影響を及ぼす要因としては、「評価制度」「報酬」「労働環境」「業務内容」「マネジメントの方法」「ビジョンの浸透度」「人間関係」などさまざまなものがあり、複合的な施策を講じる必要があります。

これらの要因の中には、「集合研修」を実施して、従業員に直接働きかけることが可能なものもあります。以下、従業員エンゲージメントを向上させる方法として、「組織のビジョンを浸透させるための研修」「組織内の人間関係を良好にするための研修」をご紹介します。

 

組織のビジョンを浸透させる

企業の理念やビジョンというものは、入社時には頭の中に入っていても、会社側からの働きかけがなければ、次第に忘れ去られていく傾向がるようです。

なお、「会社の目的・理念・ビジョンが従業員に浸透した状態」とは、単に知っているだけではなく、自発的な行動にあらわれることを意味します。浸透を促すためには、企業理念が定められた経緯や意図を詳しく解説し、従業員各自に深く理解してもらう必要があるでしょう。

理念やビジョンは漠然とした内容が多いため、なるべく具体的な例に落とし込みながら説明することを心掛けてください。そして、「理念・ビジョンを踏まえた場合、どのように行動するのが望ましいか」を明確にしましょう。また、質疑応答を実施して不明な点を解消することも大切です。

 

組織内の人間関係を良好にする

従業員が会社に対して愛着心を持つためには、組織内の人間関係が良好であることが不可欠です。上司や同僚、部下との関係に軋轢が生じ、風通しの悪い状態になってしまうと、会社に対して愛着心を持つことはできないでしょう。

人間関係を良くするためには、コミュニケーションを円滑にする必要があります。集合研修で、コミュニケーション能力を高めれば、仕事のやり方を質問しやすくなったり、わからないことがあっても迅速に相談できるようになったりするなど、人間関係の改善に繋がるでしょう。リモートワークをしている従業員が多くて一か所に集まれない場合であっても、ビデオ会議ツールなどを利用して研修を実施することも可能なので、検討してみてくださいね。

なお、研修を実施する前にアンケート調査を実施して、「良い点」と「改善すべき点」を把握しておくことをおすすめします。例えば、「新人に業務を教える文化があるものの、部署間のやり取りに壁がある」といった問題点が浮き彫りとなれば、部署間のコミュニケーションを図り、人間関係を良好にするための研修を実施してみるといいでしょう。

 

まとめ

経済のグローバル化が進み、顧客ニーズが多様化するなか、旧来の上意下達の組織では成長し続けることが困難になっています。会社が成長し続けるためには、ダイバーシティ経営を実践し、多様な価値観・感性を取り入れなければなりません。

しかし、現在の日本では、少子高齢化に伴う人口減少により、人材の確保が困難になっています。また、「新卒で入社した会社に定年まで勤め続ける」という考え方も薄れつつあり、より良い職場を求めて転職するケースも増加しているのが現状です

このような状況のなか、「コストをかけて求人広告を出し、書類審査や試験・面接を実施して採用したのに、すぐに離職してしまった」…。そんな経験をお持ちの経営者・人事担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

優秀な人材を会社に定着させ、早期離職を防ぐためには、従業員のエンゲージメント向上が不可欠です。従業員エンゲージメントの向上には、サービスの品質が上がり、顧客の満足度がアップするというメリットもあります。

なお、従業員満足度を向上させるだけでは企業の業績向上に必ずしも結び付かず、ロイヤルティを高めるだけでは自発的・主体的に行動する従業員が育たないことにご留意ください。

会社の業績向上・成長には従業員エンゲージメントを高める取り組みが必要です。取り組みの具体例としては、「組織のビジョンを浸透させるための研修」や「組織内の人間関係を良好にするための研修」の実施が挙げられます。

社内教育・研修を通じて、従業員一人ひとりに、会社の理念・ビジョンへの共感を呼び起こし、行動に繋げましょう。そして、上司や同僚、部下とのコミュニケーションを円滑にし、「些細なことでも、すぐに話し合える人間関係」を構築していきたいですね

本記事の内容が、企業の経営者や人事担当者のお役に立つことができれば幸いです。

この記事が参考になったら、「シェア」をお願いします!

  • LINE
  • はてブ

メルマガ登録

8,000名の経営者が購読中!

累計30,000名のビジネスパーソンが購読する人材開発メルマガです!
年間450社以上の研修を行う中で導き出した、人材育成/開発に関するノウハウを無料で発信しています。

利用規約

個別でのご相談も受付中!

人材活用、育成に関する課題をお申し付けください。最適なアプローチをお答えします。

『個別相談』を申し込む

お電話でのご相談・お問い合わせ

03-5908-1410

受付時間 月〜金曜 10:00〜17:30