課題社内に、全社員に共通した“判断軸”がない。

Value Bookは”会社の成長力の源泉“。 組織が拡大していくことに不安がなくなりました。

対象者層
  • 全社員
導入サービス
  • 評価制度構築支援Axis
  • 会議型コンサルティングxDrive
  • オンライン研修Smart Boarding

COMPANY

株式会社Discovery

業種
デジタルマーケティング
企業規模
51〜100人

「めっちゃいい買い物をたくさんしてもらう」というミッションを掲げ、2015年よりデジタルマーケティング事業を行われている株式会社Discovery様。同社公式WEBサイトには、「チームで仕事をする」をはじめとした、8つの“VALUE”が掲載されています。

これらのVALUEは、弊社の評価制度構築支援サービスである「Axis」で、作成をサポートさせていただいたものです。社員の方からのお話では、全社に共通するVALUEを作成したことが、会社を成長させていく1つの鍵になったのだとか。今回は、Axisを導入された背景から現在の活用のポイントまでを、代表取締役である篠木様(写真左)にお話を伺いました。

この事例のポイント

“内部分裂”からの脱却。必要なのは、メンバー全員が納得できる「会社の軸」だった

「Axis」を導入した当時、社内では“内部分裂”が起きていました。内部分裂が起きた背景には、メンバー1人1人の目指す方向や意志決定の判断軸がバラバラで、会社として統制がとれなくなったことがあります。どうすれば良いか途方に暮れていたところ、知り合いの方から紹介していただいたのがFCEさんです。“全員で会社の軸を作っていく”という支援内容に惹かれ、Axisの導入を決めました。

軸ができたことでマネジメントが簡単に!今後の会社を担う若手社員が成長

Axisの支援を受けたことで、会社の中に”正しさの基軸”ができました。それによって、必要以上に議論に時間を使ったり、何かを決定する際に悩んだりということが少なくなったように感じています。また、若手社員がVALUEを実践することでメキメキと成長してくれています。VALUEを基に考えて、育ってきた世代が今後会社を支えてくれると考えると、とても心強いです。

「VALUE」の実践が目標対比200%の成果に繋がった

VALUEが社内に浸透してきたことで、会社の組織風土の醸成だけではなく、成果にも現れるようになりました。最近では、あるメンバーがVALUEに沿った行動目標を立て、それを実施した結果、社内で誰も成し遂げたことがないような成果を残したのです。今、間違いなくVALUEが会社の教育基盤になっているので、これからも社内にVALUEを浸透させる工夫を続けていきます。

INTERVIEW

“内部分裂”からの脱却。必要なのは、全メンバーが納得できる「会社の軸」だった。

―Axisを導入される前の人材育成や組織の課題を教えてください。

篠木様

Axisを導入する以前に課題だったことは、「自分たちが仕事を行う上で大切にしている考え方や仕事の進め方などを、全社員共通のものとして言語化できていなかったこと」です。

当時、弊社には会社が大切にするあり方・考え方や仕事の進め方として、“義務と権利”という風に定めたものがありました。しかし、それは抽象的な内容も多く、人によって様々な解釈ができてしまうものでした。結果として、全てのメンバーがそれに基づいて判断をする“軸”としては成立していなかったのです。メンバー1人1人の目指す方向や意志決定の判断軸がバラバラで、会社として統制がとれなくなり、およそ5年前に社内では“内部分裂”が起きました。

内部分裂が起こった背景には、中途のメンバーが一気に増えたことと、その際に中途メンバーに教育をする基盤となる、当社の“あり方や考え方の基軸”がなかったことがあると思っています。当時、弊社は“即戦力”となる経験者の採用に力を入れていました。スピード感をもって事業を成長させていく必要があったため、それぞれのメンバーが思い思いに知り合いの経験者にアプローチをするという方法をとっていたんです。弊社の組織風土に合うかどうかというよりは、スキルや過去の経歴を重要視した採用を行っていました。

そして、経験者がどんどん増えるにも関わらず、会社が大切にするあり方・考え方や仕事の進め方に関する教育が行えなかった結果、“それぞれのメンバーが、自分の思うように、好きなように仕事を進めてしまう”ようになってしまったのです。私から一人ひとりのメンバーに対して、面談で「こういう風に仕事を進めてほしい」とリクエストをしても、納得しないメンバーがほとんどでした。彼らからは、「なぜもっと頑張らないといけないんだ。なぜもっと品質を上げないといけないんだ。今できているから良いじゃないか。」というような声があがってきて。会社として共通した判断軸がない状態だったので、各メンバーが自分の培ってきたノウハウや経験に基づいて仕事を進めるようになってしまったんですよね。言わば、Discovery社として提供しているサービスではなく、個々人がサービスの品質を決めているような状況になってしまった時期がありました。

また、会社の成長速度を上げたいと考えていたにも関わらず、組織の判断軸が定まっていないことで、結果として施策の実行が遅れてしまうという現状もありました。例えば、こういうことをやってみよう、という話が出たにも関わらず、手が付けられていないというようなことが何度も起こっていたのです。メンバーに理由を聞いてみると、「改めて考えると、その方法で正しいのかが分からなくて…」という声がありました。つまり、会社としての判断軸がはっきり定められていないために、メンバーが施策の進行に自信をもてず、「これで良いのか…?」と踏みとどまってしまっていたんですね。これでは各施策の検証速度が落ちるので、どうにかしたいと考えていました。

さらに、評価制度に対してメンバーから不満も出始めました。判断軸となる会社のあり方、考え方が言語化できていなかったため、もちろん社員評価制度もそれに紐づいた、社内で一貫したものは作成できていなかったんです。それによって、メンバーからは給料の決め方や、出世する際の基準などに関して、疑問や不満が出てきていました。

こういった問題は山積みで、私もどこから手をつけて良いかがわからず悩んでいました。どのように教育体制や評価制度を作っていけば良いのか、会社の規模を拡大していくための突破口はどこにあるだろうかと考え続けましたが、なかなか答えは見えませんでした。

     

―Axis導入の決め手となったのはどのような部分ですか?

篠木様

私が解決策を探して様々な本を読んでいた際に、ある知り合いの方から「FCEさんに相談してみたら?」という提案をいただきました。そこでAxisの支援の一環である「Value Book」や、コンサルティングサービス「xDrive」の話を聞いて、とても興味が湧いたんです。

後日FCEの方から詳しくお話を伺って、すぐに支援いただくことを決めました。自分が「こうなったら良いな」と考えていた理想が、FCEさんに支援いただくことで実現するイメージが湧いたからです。

特にAxisを導入する決め手となったことは、“全員で会社の軸を作っていく”というその過程でした。社長である私が1人で作っていくわけではなく、メンバーと皆で話し合って決めていくことが、とても重要なポイントだと感じたのです。

なぜなら、メンバーと一緒に会社の軸となるVALUEを作っていくことで、メンバー1人1人が経営者と同じくらいのレベルで会社のありたい姿や大切にしたい価値観について考えられるようになるのではないかと思ったからです。私は、自社に「自分がきちんと組織に影響を及ぼしたい」と考えている、当事者意識のあるメンバーは多いと感じていました。だから、彼らに話し合いに参加してもらい、一緒に会社のVALUEを作成していくことで、「自分がこの組織の方向決定に影響を与えた」と感じられるような自信にもつながるのかもしれないと思いました。

また、自分たちが決めたと実感できるものであれば、愛着をもって大事にしていくことができるのではという期待がありました。自分が意見を出しながら作成したVALUEに対して、「なぜこれを守らなくてはいけないのか」とは言えないですよね。メンバー1人1人が“自分が決めた、自分が関与した”と思えるような会社の軸を作りたいと思い、Axisの導入を決めました。

軸ができたことでマネジメントが簡単に!今後の会社を担う若手社員が成長

―Axisを活用して感じる効果、具体的なエピソードはありますか?

篠木様

大きく3つの効果を感じています。

1つ目は、マネージャー陣がオーナーシップをもってくれたということです。

まずは、会社のVALUEを考える過程で、マネージャー陣から出てくる言葉や考え方にとても驚きました。会社の風土や文化創造について、そこまで真剣に考えていたのか、と思う部分が多かったのです。これまでは、マネージャー陣から進んで意見が出るというようなことは少なかったのですが、もしかすると考えていなかったのではなく、言語化する機会がなかっただけなのかもしれないと感じました。

特に成長を実感したのが、マネージャーから役員に昇格したメンバーのエピソードです。彼はVALUEを作成する以前は、どちらかと言うと受け身な印象のメンバーでした。指示を出したことを素直にやってくれはするのですが、自分から発言する機会は多くはなく、主体性を感じることはあまりありませんでした。そんな彼が、今となってはチームへのVALUEの浸透に誰よりも真摯に向き合ってくれています。

彼にとって、何が自分を変えるきっかけになったかというと、“会社の文化を自分が作る”というその意識の変化だったのではないかと思っています。皆で会社のテーマを出し合って、言語化をして、というディスカッションの中で、彼が「自分はこういう言葉を入れたい、こういう文章を作りたい」という意見をとても多く出してくれていて。組織を自分が思う方向に動かしていきたいという思いが感じられて本当に嬉しかったです。そして、その意見が採用されると、やっぱり彼も嬉しかったと思うんですよね。彼の変化を見られただけでも、VALUEを作成したことが組織にとって大きな意味があったなと感じています。

     

2つ目は、会社の目指す方向が明確になったことで、マネジメントがしやすくなったことです。

会社の中で、”正しさの基軸”ができたので、必要以上に議論に時間を使ったり、何かを決定する際に悩んだりということが少なくなりました。

例えば、社内で意見が食い違った時には、建設的な議論ができるようになりました。「VALUEに沿って考えると、ずれている部分があるのではないか?」という疑問を投げかけたり、「自分のVALUEへの見解がずれているかもしれないから教えてほしい」というリクエストが出てきたりするようになるなど、議論が”喧嘩”ではなく、”協力的なもの”になっているんですよね。また、社内での意思疎通もスムーズになりました。具体的には、「こういう風に課題を解決していきましょう」という上司からの提案が、すっと入るメンバーが増えたように感じています。それは、上司も部下もValue Bookを大事にしており、考え方に大きなズレがないからです。

こういった変化を受けて、採用活動もVALUEに沿って行うようになりました。例えば、採用面接の中でもVALUEを大きな判断軸に置いています。自分達が普段VALUEを大切にして働いている分、その価値観や考え方に共感できていないようであれば、一緒に働くことはお互いにとって辛いと思うんです。だから、どれだけ優秀な人であっても、面接の中でVALUEへの共感度が低いという風に感じる場合は、良い評価は出さないようにしています。VALUEという軸があることで、私自身も自信をもって判断ができるようになりました。

3つ目は、VALUEを実践したことで若手メンバーが成長していったことです。

若手メンバーがVALUEを実践することで、各チームのエースに育っていることを心強く感じています。初心者の若手メンバーが1つ1つのVALUEに真正面から向き合って、これができている、できていないと振り返りながら地道に取り組んでいって、腕を上げていっていることがとても嬉しいです。

メンバーがVALUEを基に自分の現状を捉えながら、「これができるようになりました。ここに課題があります。」といった話をしているんですね。みんなで教え合って、助け合って、品質確認して、問題解決して、挑戦して…。未経験の子たちがメキメキ、どんどんどんどんできるようになっていって。アルバイトで入ってきた当時19歳の男の子が、今24歳くらいになったのですが、今ではチームのリーダーになっているんですよ。VALUEを実践することでチーム、1人1人のメンバーが成長していくというところが如実に見えてドラマチックでした。 そういうメンバーが、今、会社を成長させる大きな役割を担ってくれています。VALUEを基に考えて、育ってきた世代がいることがとても心強いです。今は、会社が大きくなっていくことに対して、不安や怖さが全くありません。

そして、担当コンサルタントであるFCEの吉村さんには、多くのお力添えをいただきました。ここまで、メンバー1人1人の思っていること、考えを反映したVALUEを作成することができたのは、吉村さんにファシリテートを行っていただいたおかげだと思っています。

吉村さんは、話し合いの中で、まんべんなくメンバーに話を振ってくださったり、意見を引き出して下さったりとサポートしてくださいました。私達はどのように議論を進めていけば良いかも全くわからなかったので、吉村さんが話し合いが収束するように導いてくださった部分もあるかと思うのですが、それがメンバーに伝わらないくらい自然でした。だから、私達はVALUEを「自分達で決めた」という実感や、自信をもつことができています。

     

「VALUE」の実践が目標対比200%の成果に繋がった

―Valueを社内に浸透させるために、工夫したことはありますか?

篠木様

マネージャー陣と、1人1人のメンバーに向けて、それぞれアプローチし続けました。マネージャー陣には、よりVALUEを強く意識してもらえるようVALUEを暗記するよう促したり、メンバーを巻き込む仕組みづくりを一緒に進められるよう話し合いをしたりしています。また、メンバーを巻き込む施策として実際に行ったのが、「VALUEストーリー」、個別面談などの実施です。

「VALUEストーリー」とは、1週間の振り返りとして、自分が発揮できたVALUEをメンバーで共有し合う取り組みです。発表の例としては、例えば次のようなものがあります。

“「今週は『チームで仕事をする』というVALUEが発揮できました。『チームで仕事をする』のアクション&スタンスの中で、『役割理解と役割を定義していく』というところを意識し、仕事を効率的に進められました。」”

また、個別面談ではVALUE1つ1つに対してマネージャーとメンバーで目標を立て、その成果に対してフィードバックを行っています。あるメンバーの個別面談の例ですが、面談の中で「進歩のために挑戦は楽しむもの」というVALUEに基づいて「挑戦」をしよう、と合意をしたメンバーがいました。弊社では、挑戦とは「初めて取り組むこと、以前上手くいかなかったこと、これまでの結果を超えること」の3つだと定義をしています。

そこで、そのメンバーが、「自分がやったことのない、キャスティングの提案をします。」と宣言してくれました。今まで彼はWEBマーケティングの仕事を担当していたのですが、通常広告代理店が担当するような、クリエイティブのキャスティング、つまり商品に対してタレントなどをつけるということを、提案すると決めてくれたんです。

それが、最近では結果が出て、お客様からも喜んでいただいているという話を聞いています。ある商品に、アニメをタイアップするという、誰も会社でやったことのなかったことを成し遂げたんですよ。しかも、目標のCPA(広告の効率を測る数値)に対して、50%の費用で同じ効果を出しています。これは、商品を提供している会社様が、同じコストをかけて広告を出したら、想定の倍の数の購入があった、ということになります。

VALUEをきっかけに“挑戦”をして、成果につながったという最近のエピソードです。VALUEが浸透してきたことで、会社の組織風土の醸成だけではなく、成果につながっていることを実感しています。

 

 

―今後、Axisをどのように活用していきたいですか?

篠木様

まずは、VALUE内容のメンテナンスをしたいなと思っています。一度VALUEを作成したらそれで終わりではなくて、ブラッシュアップしていくことが必要だと考えているんですね。そして、メンテナンスを入れたい文章が具体的に1つあります。「発見精神をもつ」という最後のVALUEなのですが、その中のアクション&スタンスで「あたりまえを疑え」というものがあるんです。ここに補足を入れたいと思っています。

「あたりまえを疑え」という言葉が、正しい意図で伝わっていないのではないかと感じていて。私が、なぜあたりまえを疑ってほしいと思っているかというと、自分たちが成果を出してミッションを実現しようと思ったら、世の中の多くの企業がやっているあたりまえを行うだけでは絶対に足りないと思っているからです。

「一般的にはこうですよね」とか「他の会社がやっているから」などと言っていては、自分達のミッションは達成するのが難しいと思っています。そこで、Value Bookには、自分たちはどうしたらもっと成功確率が上がるのか、という内容をより強く入れる必要があると思っているんですね。普段メンバーには、私から「一般的に行われているものが全部果たして良いのかを全部疑え!」と伝えていて。そういう意味合いをもっと強くいれたいなと思っています。

そういうメンテナンスしたいところが、他の部分でも出てきているので、VALUEの会議を行ってメンテナンスすべき内容を吟味し、刷新したいと思っています。

また、まだまだ社内にVALUEを浸透させる工夫をしていきたいです。現在、Value Bookが会社の競争優位性になっていますし、成長力の源泉になっています。間違いなく、弊社の教育基盤です。だからこそ、メンバーにはもっと大事にしてほしいんですよね。

毎日Value Bookを読んでほしいし、それを基に自分の仕事を振り返ってほしいし、目標もVALUEと紐づけたものを設定してほしいんです。

それができるような仕組みを考案して、さらに会社に浸透させていきます。

     

―貴重なお話、ありがとうございました!

導入いただいたサービス

対象者層
  • 経営者層
  • 管理職層
  • 人事責任者層

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