• HRレポート
  • 2021.11.10

フィードバックとは?意味とやり方のポイントを解説!

【目次】

フィードバックとは何か?  

日々のビジネスや業務の現場などで頻繁に用いられる「フィードバック」という言葉。具体的にどのような意味を持つかご存知でしょうか。

フィードバックは「相手の行動に対して客観的なアドバイス・指摘を行い評価することで、軌道修正を促す指導方法」を指します。一般的に組織内での上司と部下、先輩と後輩などの関係性で実施されますが、フィードバックに立場は関係ありません。

正確には熟練したスキル・知識・経験などを持つ側が、経験の浅い側の成長をサポートするという意味合いが強い言葉といえるでしょう。

企業では1対1の面談やミーティング、プロジェクト終了時や四半期ごとの人事評価などの場面で実施されることが多いです。

フィードバックが行われる主なシチュエーション

・プロジェクト終了時などの組織全体での振り返り

・1on1のミーティング・面談

・人事評価

・組織における新人サポート・人材育成(企業・部活・チームなど)

・成果物に対するブラッシュアップのため

など

 

フィードバックの方法は口頭や文面で行われ、提出した書類などに対する赤ペンや改善点の指摘などもフィードバックの一部です。フィードバックをされる側は客観的な意見を受けることで次回以降のミスを防止し、業務のパフォーマンス向上につなげられます。

もともと「フィードバック」という用語は制御工学の「フィードバック制御」に由来しています。フィードバック制御は制御系機械における目標出力値と実際の出力値を比較し、両者の出力値が一致するよう改善・調整する制御方法です。

目標と実際の数値を一致させるために改善を行うという点から、他業界における教育や指導・マネジメントの現場でも用いられるようになったのでしょう。

 

フィードバックの種類とは?

一般的に「フィードバック」という言葉は、客観的な指摘として使用されます。

しかし、フィードバックには「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」という2つの種類があり、使い方によって意味や相手に与える影響などが異なってきます。

同じ意味合いのフィードバックでも、伝え方や言葉選びによっては相手を傷つける可能性もあるため注意しなければなりません。ここから方向性別のフィードバックについて詳しく解説いたします。

 

ポジティブフィードバック

ポジティブフィードバックは、相手の行動の「長所」を肯定的に評価することで、より成長を促すフィードバックです。成果物・結果の可否を問わず、相手の「努力」を認めて自信を持たせたい場面で用いられます。「褒めて伸ばす」という言葉通りの手法です。

グロービス経営大学院のMBA用語集では、ポジティブフィードバックには「被評価者の意欲や能力がいい方向に促進するフィードバック」「被評価者にとって望ましい内容のフィードバック」という2つの意味があると定義されています。

参考:グロービス経営大学院「ポジティブ・フィードバック

 

ポジティブフィードバックの事例

「君の作った資料はグラフやデータが見やすくて助かるよ!」

「起承転結がしっかり整っていて、完成度の高い内容だったよ!」

どちらの意味として用いられる場合も指摘内容が肯定的であるため、フィードバックを受けた側はモチベーション向上や自信につながりやすく、次への原動力になる点が特徴です。

 

ネガティブフィードバック

ネガティブフィードバックは、相手の行動の「改善点」を指摘し改善を促すフィードバックです。一般的には「厳しい指摘を行うことで、現状に満足せず、より上のステップに進んでほしい」という意図を込めて用いられます。

相手の現状を否定する要素が強いフィードバックであるため、相手によっては指摘されたことで自信をなくし、意気消沈してしまう恐れもあるため注意が必要です。また言葉選びを間違えると「パワハラ」や「モラハラ」と捉えられるリスクもあり、扱いが難しい方法といえるでしょう。

グロービス経営大学院では「被評価者の意欲や能力が望ましくない方向に促進されるフィードバック」「被評価者にとって望ましくないフィードバック」の意味があると定義づけられています。

参考:グロービス経営大学院「ネガティブ・フィードバック

 

ネガティブフィードバックの事例

「この資料じゃ相手に何が言いたいのかわからないよ」

「もう少し効率性を考えて進めたほうがいいよ」

ネガティブなイメージは強いですが「相手のために厳しい意見も伝える」といった意図を込めて用いられるため、使い方次第では成長を促すためのフィードバックとなります。

 

フィードフォワードとの違いとは?

フィードバックと類似した用語として、「フィードフォワード」があります。フィードフォワードとは、未来や目標に対して行うべき行動や考えるべき解決策などを話し合うこと。フォワード(forward)には「前方へ、未来へ、将来へ」などの意味があり、過去を振り返るフィードバックとは対極にある言葉です。

ビジネスの場ではフィードバックとフィードフォワードを並行して用いられるケースが多く、フィードバックで改善と指導を繰り返しながら、フィードフォワードでは従業員に対して組織としての明確な目標を示すことができます。

目標に向かって行うべき行動が明確になれば、従業員も前向きな気持ちで業務に向き合えるようになり、モチベーション向上効果も期待できるでしょう。

ただし未来の目標や必要な行動を示したとしても、全ての従業員がすぐに対応できるとは限りません。フィードフォワードはフィードバックに比べて定着するまでに時間を要するのも特徴の一つです。効果や用途が異なるマネジメント手法なので、どちらが良い・悪いというものではありません。

フィードバックで現状のレベルを少しずつ上げていきながら、相手の成長速度に合わせて将来の目標に向けた行動を話し合うとよいでしょう。

   

 

フィードバックの効果とは?

仕事の現場では頻繁に用いられるフィードバックは、新人育成や人材マネジメントなどで多種多様な効果が期待できる手法です。フィードバックをとり入れることで、具体的にどのような効果が得られるのか詳しくご紹介いたします。

 

個人やチームの目的達成率向上

フィードバックを行う目的は努力や工夫の方向性を修正することです。

部下などが非効率的または間違った努力をしていた場合、早期の段階でフィードバックし軌道修正することで目標達成までの時間を短縮できます。

またリーダーや管理職としてチーム全体のマネジメントを行っている人であれば、フィードバックを行うことで組織全体の生産性・効率性向上が期待できるでしょう。

 

優秀な人材の育成

フィードバックは本人には気付けない改善点を指摘することができるため、本人に自覚を促し、能力的な成長を促進する効果が期待できます。

また繰り返しフィードバックを受けるなかで、部下本人が見直すべき点や改善できそうな点を自分で探す習慣ができていくため、相乗的に成長速度を加速させられるようになるでしょう。

 

モチベーション向上

フィードバックを効果的に活用すれば、部下本人のモチベーションアップにつなげることもできます。フィードバックは指摘される側に向き合わなければできません。

そのため部下の能力や成果に向き合い、適切に長所を褒めて改善ポイントを指摘していくことで「認めてもらえている。もっと頑張ろう」というモチベーションにつながっていきます。

本人の成長速度や得意・不得意分野、性格などを加味した上でポジティブフィードバック・ネガティブフィードバックを使い分けるとより効果的です。

 

パフォーマンス向上

フィードバックを繰り返し行っていけば、部下の生産性とパフォーマンス向上が期待できます。業務において効率的な方法・非効率的な方法など、フィードバックを受けていくなかで学んでいくため、自ずと成果を出せるようになっていくでしょう。

それぞれがフィードバックを受けずとも成果を出せるほどまでに成長すれば、組織力自体が強化されたといっても過言ではありません。

また適切なフィードバックを行うことができれば、部下と上司の間で信頼関係が構築されるため、その後の業務においても好循環を生み出すきっかけになっていくでしょう。

 

以上がフィードバックを行うことで得られる主な効果です。一方、部下の人格を否定したり認めるべき点を認めることなく指摘ばかりしていると、パワハラとして受け取られかねません。そうすると組織全体の士気の低下にもつながってしまうため、フィードバックを行う側も技術が求められます。

 

フィードバックの具体的な方法やフレームワークは?

フィードバックの種類や効果について解説してきましたが、ここからフィードバックを行うための具体的な方法やフレームワークについてご紹介いたします。フィードバックには基本となるいくつかの「型」が存在し、状況に応じて使い分けることが可能です。

 

サンドイッチ型フィードバック

サンドイッチ型はポジティブフィードバックを主軸に行うフレームワークです。フィードバックを行うなかで「褒める」「改善点の指摘」「褒める」という順序で、伝えるべき改善点を肯定的な意見の間に挟みこむことからサンドイッチ型と呼ばれています。

 

・サンドイッチ型フィードバックの例

上司(褒める):昨日のプレゼン、データグラフがわかりやすく先方にも好評だったよ!あの感じだと受注に繋がる可能性も高いよ。よく頑張ったね!

部下:ありがとうございます!

上司(改善点の指摘):ただ資料の提出がかなりギリギリになっていたから、次回はもう少しデータと文面を簡略化して時間に余裕を持って提出してくれると嬉しいな。プレゼン間近だと何かあってもフォローできないからさ。

部下:すいません。次回は2日前には提出するようにします。

上司(褒める):うん。でも仕上がりは本当に良かったよ。今後のプレゼン資料の理想モデルとして社内で共有してもいいかな?みんながこんな資料を作れるようになったら、会社としても大助かりだからさ。

 

上記のように肯定と肯定の間に指摘を挟みこむことで、評価される側は改善ポイントを前向きな気持ちで受け止められるようになります。

 

SBI型フィードバック

SBI型は下記の順番で行うフィードバック方法です。

(1)Situation(被評価者の状況)

(2)Behavior(被評価者の行動)

(3)Impact(行動の結果生じた影響)

物事の原因から結果までの流れを体系的に理解できるため、フィードバックを受ける側も理解と納得がしやすいフィードバックの方法といえます。

SBI型はポジティブフィードバック・ネガティブフィードバックのどちらでも用いることができ、状況に応じて柔軟に使い分けられるのが特徴的です。

 

SBI型ポジティブフィードバックの例

上司:昨日の会議のことなんだけど。 …(S)

部下:はい。

上司:〇〇さん事前に資料を人数分用意して、準備を整えてくれていたよね。 …(B)

部下:はい。

上司:おかげで会議もスムーズに進められたし、今後の方針も固められたよ。ありがとうね。これからも余裕があるときは手伝ってくれると嬉しいな。 …(I)

 

SBI型ネガティブフィードバックの例

上司:昨日の商談のことなんだけどね。 …(S)

部下:はい。

上司:ちょっとサービス説明が強引だったかもしれない。先方が疑問や質問を投げかけるタイミングが掴めない様子だったから。 …(B)

部下:すみません…。

上司:あまり一方的に喋りすぎないように気を付けてみて。先方の要望にもっと耳を傾けられるようになれば、成約率を上げられると思うから。 …(I)

 

上記のように状況→行動→影響・今後の改善点を伝えることで、フィードバックを受ける側は指摘の意図を理解したうえで改善に取り組むことができます。

 

FEED型フィードバック

FEED型フィードバックは下記の手順で行います。

(1)Fact(被評価者の行動)

(2)Example(行動を指摘する理由)

(3)Effect(行動の影響)

(4)Different(次回の代案・改善案)

基本的には改善が必要な事柄が前提にあるため、ネガティブフィードバックの側面が強い方法です。

 

FEED型フィードバックの例

上司:

昨日のプレゼンで資料の作成から配布までしてくれたよね。 …(F)

せっかく作ってくれた資料なんだけど、配るタイミングを変えるともっと効果が上がるかもしれない。 …(E)

先方の目がプレゼンよりも資料に向いていると感じたからね。 …(E)

次回はプレゼンの進行に合わせて資料を配ってみてくれるかな。 …(D)

 

フィードバックをする際に注意することとは?

人材育成に有効なフィードバックですが、より効果的に行うためにはいくつかのポイントを掴んでおく必要があります。また指摘するという属性上、やり方を間違えると不用意に相手を傷つけてしまう可能性も高いため注意が必要です。

「仕事なんだから指摘されるのは当たり前」と思うかもしれません。しかし相手のモチベーションを下げないよう指摘することも、管理職の能力が問われるポイントです。以上を踏まえて、フィードバックをする際に注意すべきポイントを5つご紹介いたします。

 

理論的かつ具体的に伝える

フィードバックは受け取る側が指摘の内容や意図を理解してこそ意味があります。例えば「この資料、もう少し良い感じに仕上げられない?」など、抽象的な指摘では混乱を招いて、逆に成長を阻害しかねません。

フィードバックを行う場合は具体的に伝えることが重要です。例えば部下に資料作成を頼んで上がってきた内容に対して「全体のフォントを○○にして、サイズもあと2pt大きくしたほうが見やすくなると思うよ」など、どのような改善を行えばいいのか即座に理解できるように指摘すれば、部下は迷うことなく次の行動に移れます。

 

リアルタイムに評価する

フィードバックすべき事柄は、リアルタイムに評価するようにします。行動からフィードバックまでに時間が経ってしまうと、相手の意欲や記憶が薄れてしまうリスクが高いためです。

またフィードバックへの姿勢は、部下と上司の信頼関係にも影響してきます。そのためフィードバックを求められた際は、可能な限り日が浅いうちに対応するようにしましょう。

リアルタイムでフィードバックするのが難しい場合は、相手に「○○日までにはフィードバックするから」など、目安となる日程を伝えておけば部下も気持ちを整えて学ぶことができます。

 

行動に対してのみ指摘する

上司として部下を指導する立場で多いのが、部下の人格や性格に口を挟んでしまうこと。

例えば「君はそのズボラな性格を何とかしたほうがいいよ」「そういう大雑把なところ、問題だと思うよ」など、相手の人格・性格に対する指摘はパワハラやモラハラに該当する可能性が高いため、避けるべきでしょう。仮に指摘を受けた側が真摯に受け止めたとしても、性格や人格を簡単に変えることはできません。

フィードバックはあくまで行動に対してのみ行い「○○の行動は▼▼だから、■■してください」と、受けた側がすぐに行動に移せる指摘であることがポイントです。

 

実現可能な内容を提示する

上司が部下の状況や能力・業務内容などを正しく理解できていない場合、フィードバックの内容が実現不可能な机上の空論になってしまうケースがあります。フィードバックの内容が実現不可能な内容だと、部下は意欲を失い、会社全体のモチベーション低下にもつながってしまうかもしれません。

フィードバックを行うときは部下の経験・能力・環境などを加味したうえで、十分に実現できる範囲の内容で指摘するようにしましょう。実現可能な内容でフィードバックを繰り返していくことで、改善効果の実感も得やすくなります。

 

伝える状況・伝え方に配慮する

フィードバックはポジティブ・ネガティブの使い方次第で相手の意欲に大きく影響します。

たとえ指摘内容が正しくても、受けた側が自信と意欲をなくしては本末転倒なのです。そうした相手の心理状況なども加味した上で、成長につなげていくことが部下のマネジメントといえます。

これらの背景を踏まえたうえで、フィードバックは伝える状況や伝える方法・言葉選びなどさまざまな側面に配慮しながら行わなければなりません。

一方的に指摘を伝えるのではなく、部下がなぜそうしたか?などの意思を尊重しながら、理解度や納得度に合わせて改善に繋げていくといいでしょう。

 

まとめ

フィードバックは人材育成やマネジメントでは欠かせない要素の一つです。本人には気付けない点を客観的な目線から指摘することで、相手のさらなる成長やスキルアップにつなげられます。一方、伝え方を間違えると相手の意欲を減退させ、会社であれば退職など人材の損失につながる恐れもあるでしょう。

同じ内容のフィードバックでも、伝え方一つで得られる効果は大きく変わります。言葉選びや声の抑揚・表情など、良好なコミュニケーションを行うために必要な要素を全て含んだマネジメント方法ともいえるでしょう。

今回はサンドイッチ型・SBI型・FEED型と3種類のフレームワークをご紹介しましたが、他にもKPT型・ペンドルトン型など多種多様なフィードバックの方法があります。今後、新人育成やマネジメントに携わる予定がありフィードバックをする機会が増えそうなのであれば、ぜひ今回ご紹介したフィードバック方法を参考にしてみてください。

一人で習得するのが困難だと感じる場合は、フィードバックの実践セミナーや講習などに参加してみることも選択肢の一つです。近年はオンラインで参加できるセミナーも数多く開催されているので、興味がある方は検討されてみてはいかがでしょうか。

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