2022.12.15 2023.09.26
  • マネジメント

フォロワーシップとは?実践方法やリーダーシップとの違いを解説

昨今、組織を成長させる鍵として「フォロワーシップ」が注目されています。フォロワーシップとは、フォロワーが組織の中でリーダーやメンバーに対して能動的に働きかける能力のことです。本記事ではフォロワーシップの概要や、フォロワーシップを発揮するポイントについて解説していきます。

【目次】

フォロワーシップとは?

フォロワーとは?

チームを構成するメンバーを大きく分けると「リーダー」と、リーダーのもとで仕事をする「フォロワー」の2種類に分けることができます。フォロワーとは、英語の「follow=従う、後ろについていく」という言葉が原型です。そこから派生して、一般的には「リーダーを補佐する人/後に続く人」というような意味で捉えられています。

フォロワーシップとは?

フォロワーシップとは、followerに「ship=能力、技能」が付いていることから、直訳すると”フォロワーが発揮する能力”という意味になります。フォロワーシップに具体的な定義はありませんが、「リーダーを補佐する能力」という意味が一般的です。

リーダーには、組織全体への影響力と、チームを牽引するリーダーシップが求められます。それに対してフォロワーの役割は、リーダーや他のメンバーに対して自律的、主体的に働きかけ、チームの目標を達成するための支援を行うことです。

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フォロワーシップが注目される背景

リーダーの力だけでは、社会の成長スピードに追い着けなくなってきた

近年、グローバル化やデジタル化の影響で、よりスピード感ある、柔軟性の高い経営が求められるようになってきています。

これまでは、1960年頃の高度経済成長期の成功をきっかけに、リーダーが指示を出し、メンバーはその指示通りに行動することで組織は着実に成長できると考えられてきました。しかし現在では、従来の”リーダーがメンバーに指示を出し、メンバーが遂行していく”というスタイルでは、社会の成長スピードに対応しきれなくなっています。

いくらリーダーが優れていたとしても、1人の力だけで組織を活性化し、よりよい方向へと導くことは難しくなっているのが現状です。リーダーが外部変化に対応したリーダーシップをとっていく必要があるのと同様、一人ひとりのメンバーもただ指示を待つのではなく、自ら考え自ら仕事を進めていく力が求められています。

マネジメントに特化しない、プレイングマネージャーの増加

1990年代初頭のバブル崩壊以降、日本には、最前線で業務を推進する”プレーヤー”と、部下の統率を行う”マネージャー”の両方を担う、「プレイングマネージャー」が増加しました。その背景には、バブル崩壊後の不景気に伴い、多くの企業で人員整理が行われ、社員数が大幅に削減されたことがあります。

現在では、プレイングマネージャーの多くが、業務負担が大きく、マネジメントが手薄になってしまうという課題を抱えています。プレイングマネージャー自身も成果を上げる必要があるため、プレーヤ―としての役割に比重を置いてしまい、メンバーのマネジメントに時間が割けないということが起こっているのです。

プレイングマネージャーに過度な負担をかけず、組織として成果を出していくために、メンバー一人ひとりの自立が重要な課題となりました。フォロワーシップは、組織の力を最大化するために、一人ひとりのメンバーに身につけてもらいたい力として、注目されるようになったのです。

組織の約9割の成果は、フォロワーによるもの

『The Power of Followership(指導力革命―リーダーシップからフォロワーシップへ)(1992年)』の著書であるロバート・ケリー教授の調査によると、「チームや組織が出した成果に対して、『リーダーが直接的に与えた影響力』はおよそ10%~20%、それに対して『フォロワーが与えた影響力』は80%~90%に及ぶ」とされています。

つまり、それほどフォロワーの力が大きいということです。一企業の中で多くの従業員数を占めているのがフォロワーですから、大きな影響力があるということは納得できるかもしれません。

それでは、フォロワーシップを発揮するためにはどのような力が必要なのかについて、次項で解説していきます。

フォロワーシップを発揮するために必要な2つの力

ロバート・ケリー教授によると、フォロワーがフォロワーシップを発揮するには、以下の2つの力が必要です。

Point

(1)組織やリーダーの決定に対して疑問や意見があれば提言し、健全な批判を行う「批判的思考力」
(2)リーダーの指示を前向きに受け入れ、目標達成のために進んで業務を遂行する「積極的関与(貢献力)」

(1)批判的思考力

批判的思考力とは、”クリティカルシンキング”とも言われ、主観や感情に左右されずに客観的・理論的に物事を判断する思考プロセスのことを指します。フォロワーはリーダーの意思決定にただ従うのではなく、リーダーの判断に間違いがあると感じた場合には臆することなく提言を行うことが求められます。

(2)積極的関与(貢献力)

積極的関与(貢献力)とは、自分のスキルを最大限活用してリーダーを支援し、チームや組織の目標達成のために貢献できる力のことです。フォロワーはリーダーの決定や指示を前向きに捉え、自ら積極的に行動を起こすことが求められています。

フォロワーシップの5つのタイプ

ロバート・ケリー教授の提言では、フォロワーは上記2つの力(批判的思考力、積極的関与(貢献力))を軸に、5つのタイプに分類されるとしています。

模範型フォロワー

模範型フォロワーは、批判的思考・積極的関与の両面において遺憾なく力を発揮するフォロワーです。リーダーに対して建設的・批判的な提言を行いながら、自ら主体的に動き、組織に貢献することができます。

模範型フォロワーは、5つの型の中で最も理想的なフォロワーの姿です。他の4つの型のフォロワーに対しては、模範型フォロワーとの違いを明確にし、近づけるためのアプローチを行うことが重要だと言えるでしょう。

孤立型フォロワー

孤立型フォロワーは、批判的思考力は高いものの、積極的関与が低いタイプです。物事の問題点を鋭く見抜き組織やリーダーに対して批判を行いますが、自分自身が率先して行動するわけではない、行動力に欠けたタイプだと言えます。

孤立型フォロワーを模範型フォロワーへ育成するためには、フォロワーの行動力、貢献力を高めることが重要です。リーダーは、孤立型フォロワーから指摘があった際に、改善策となる次の行動をフォロワーに問いかけながら一緒に定め、行動を促すことが模範型フォロワーを育成する鍵となります。

順応型フォロワー

順応型フォロワーは、批判的思考力が低く、積極的関与が高いタイプです。自発的に意見を出すことは少ないですが、リーダーの意思決定や指示には従順に従う、イエスマン的な存在だと言えるでしょう。

順応型フォロワーを模範型フォロワーへ育成するには、本人が自己決定して、物事を進める機会を多く作ることがポイントです。フォロワーに責任のある役割やプロジェクトを任せることで、自ら考えて行動する姿勢を身につけてもらえるようにしましょう。

消極型フォロワー

消極型フォロワーは、批判的思考と積極的関与がどちらも低いタイプです。「組織に貢献をしたい」という意識が低く、自主的に行動しない傾向にあり、自分の意見も明確にもっていないことが多いと言えます。

消極型フォロワーを模範型フォロワーへ育成するには、まずはリーダーとの信頼関係や、コミュニケーションの取り方を見直す必要があるかもしれません。消極型フォロワーは、初めは仕事へのモチベーションがあったものの、リーダーとの信頼関係に問題があったことで、結果として今の状態に陥っているというケースがあるためです。リーダーとの1on1ミーティングや、定期面談の場でのコミュニケーションについて、メンバーから意見を聞くことも良いのではないでしょうか。

実務型フォロワー

実務型フォロワーは、批判的思考や積極的関与を平均的に行うことができるタイプです。自分に与えられた業務は真面目にこなすものの、+αの仕事には積極的に関わろうとせず、割り切った態度を取る傾向にあります。「良い仕事をしたい」という気持ちは持ち合わせていますが、失敗を恐れるあまりチャレンジできない人も多いようです。

実務型フォロワーを模範型フォロワーへ育成するには、リーダーからメンバーに求める姿、目指す姿を明確に、何度も伝えることが必要だと言えるでしょう。実務型フォロワーは任された事柄には誠実に向き合う傾向があります。そういった実務型フォロワーに対して、仕事をただこなすのではなく、どういった仕事の仕方をしてもらいたいのか、どんなあり方、考え方で仕事を進めてもらいたいのかなどをリーダーが定期的に伝えることで、フォロワーの仕事への意識を変えていくことが期待できます。

【フォロワー側】リーダーシップとフォロワーシップの相乗効果を発揮するためには

リーダーとフォロワーは相互作用の関係にあり、両者が支え合うことでチームや組織を動かしています。ここからは、リーダーシップとフォロワーシップの相乗効果を生み出すために、フォロワーに身につけてもらいたい2つのポイントを解説していきます。

リーダーが示した基本方針をフォロワーが具体的な行動に落とし込み、遂行する

たとえリーダーがリーダーシップを発揮し優れたゴール設定をしたとしても、フォロワーが全くフォロワーシップを発揮できていない場合には、チームとして目標を達成したりビジョンを実現したりすることは難しいと言えます。なぜなら、ゴール達成に向けて実際に行動するメンバーの大部分がフォロワーだからです。

リーダーの担う役割の一つが「チームが向かう目標、ビジョンを示すこと」であることに対し、フォロワーが求められていることは、「目標、ビジョンを正しく咀嚼し、業務に落とし込んで遂行すること」だと言えるでしょう。

リーダーの決定に対して、フォロワーが健全な批判をする

リーダーが行った意思決定に対して、フォロワーが健全な批判をすることも組織にとっては重要です。リーダーの意思決定にメンバーが疑問を感じた場合は、積極的に提言することで、チームや組織が活性化し、よりよい成果を生み出すことができます。

ここで注意したいのは、フォロワーはただ批判をすることが求められているわけではないということです。フォロワーが批判的思考力を発揮する際のポイントは、以下の2点です。

Point

(1)リーダーが完璧ではないことを理解すること
(2)建設的な発言をすること

 

(1)リーダーが完璧ではないことを理解すること

リーダーはメンバーを牽引する存在ですが、一人間ですので、必ずしも正確な判断ができるとは限りません。「リーダーが言っているから間違いない」と、自分で考えることをやめてしまっては、本質的ではないでしょう。何かを判断する際には、”誰が言っているか”ではなく、”何を言っているか”を考える習慣をつけることが重要です。

(2)建設的な発言をすること

メンバーは、自分の感情のままに批判をすれば良いというわけではありません。組織の現状をより良くしていくために、自分自身が改善を行う一員であると捉えた上で、前向きな視点をもって発言をすることが求められます。

【リーダー側】リーダーシップとフォロワーシップの相乗効果を発揮するためには

フォロワーがフォロワーシップを発揮するためには、社内環境も大変重要なポイントだと言えます。

ここからは、フォロワーシップを発揮しやすい環境づくりを行うために、リーダーが気を付けておくべき2つのポイントについて解説していきます。

リーダーがフォロワーの「心理的安全性」を理解する

リーダーは「心理的安全性」について学び、フォロワーが「感じたことをそのまま率直に周囲に伝えられる雰囲気」をつくることが重要だと言えます。

心理的安全性とは、”自分の地位や評価を保証された状態で、自分の意見を安心して共有できること”を意味します。Googleが行った「チームの効果性を向上させる要素」(※)についての調査で、「チームの生産性向上の最重要要素」だと発表されたことでも注目を集めている概念です。

リーダーがフォロワーの心理的安全性に対する理解を深め、職場環境を整えていくことが、フォロワーシップを発揮しやすい環境を作る一助となるでしょう。

※参考:Google re: work「効果的なチームとは何か」を知る
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/#introduction

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リーダーが人事評価に関する明確なメッセージを出しておく

リーダーは、上記の「心理的安全性」について学んだ上で、フォロワーが安心して意見を発信できるよう、以下のようなことを明言し、社内に広く伝えておくようにしましょう。

”フォロワーからリーダーへの提案を批判だとは受け取らないこと”
”フォロワーからの提案が未熟であっても、それを人事考課に反映する可能性はないこと”
”リーダーに対する主体的な提案は評価対象であるということ”

組織の中には、「提案したことが批判と捉えられてしまうのではないか」と感じ、思うように自分の意見や提案を発信できないフォロワーがいることも考えられます。そういったフォロワーの心理的なハードルを解除し、自由に意見が出せる環境づくりを進めていくことが大切です。

リーダーシップ・フォロワーシップを発揮する社員を育成する研修

フォロワーシップはフォロワーだけに向けた概念ではなく、リーダーの立場であっても理解しておきたい考え方です。チームや組織に貢献するには、リーダーでもフォロワーシップの力が必要となる場面は多々あります。

「自分は1メンバーだから」とリーダーシップに無関心であったり、「リーダーだから」とフォロワーシップを蔑ろにすることは、チームや組織の様々なチャンスを喪失させることになり兼ねません。リーダーシップ、フォロワーシップについてはチーム、組織に所属している全てのメンバーに学んでもらうことが望ましいでしょう。

FCEトレーニング・カンパニーでは、社員一人ひとりに求める姿を担当者様とご一緒に考えた上で、その姿を実現するために企業様ごとにプログラム化した研修をご用意しております。お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

弊社オリジナル『7つの習慣®研修』でリーダーシップマインドを醸成

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「知っているだけでなくできている」状態にするためにINPUTとOUTPUTを繰り返し、リーダーシップ・フォロワーシップが定着できる仕組みがございます。

 

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「チームの成果を上げたいが、具体的に何が課題であるか分からない、どのようにすればチームを動かすことができるか分からない」といった場合には、実際に弊社コンサルタントがお客様の会議に入り込み、「成果」=戦略×実践力を上げるためのコンサルティングを実施させていただくことも可能です。

弊社コンサルタントが、組織の戦略策定・実行結果の振り返り・要因分析・改善案作成などのサポートをさせていただき、最終的には目標を達成するために、自ら考え、行動し、結果を出すためにPDCAを回せる状態に導きます。また、週1回の進捗会議や戦略立案シートの活用により、研修時だけでなく、日々の仕事の中で活用することができる生きた目標達成力を身に着けることができます。

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この記事を書いたコンサルタント

株式会社FCE (編集部)

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