2023.04.11 2023.09.21
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マネジメント能力を向上させるには?能力が高い人に共通する8つのポイント

「マネジメント能力」は、会社としての目標を達成できるように、組織運営を行う能力です
マネジメントと似たような場面で使われる言葉に「リーダーシップ」があります。
厳密には意味が異なりますが、実際に会社でマネジメントを行うのは課長、部長などのリーダーシップを発揮する役職であることから、2つの言葉を同じように扱うケースなどについて詳しく解説します。

【目次】

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マネジメント能力とは

マネジメント能力とは、会社としての目標を達成できるように、組織運営を行う能力です。具体的には、ひとり一人のメンバーのレべルを把握し、最適な形で目標を達成できるように人員、経営資源を管理するスキルを指します。これらのスキルは目標設定やプロジェクト管理、目標実現に向けたリソースの配分調整など、管理職・マネージャーなどを務める際に要求される能力です。また、社員のスキルや考え方に応じて経営リソースを配分し、目標実現に向けて社員が能力を発揮しやすい環境を構築することもマネジメント業務の一環です。

マネジメントと似たような場面で使われる言葉に「リーダーシップ」があります。リーダーシップとは、目標実現を目指しチームメンバーを一つにまとめていく能力で、マネジメントは目標を実現するためのリソース管理、スケジューリングなどを行う能力なので、厳密には意味が異なります。しかし、実際に会社でマネジメントを行うのは課長、部長などのリーダーシップを発揮する役職であることから、2つの言葉を同じように扱うケースもあるようです。

マネジメント能力が高い人に共通する特徴

マネジメント能力が高い人は、共通してさまざまな能力を持っていることが特徴です。具体的には、以下の8つが挙げられます。

 

【8つの特徴】

(1)コミュニケーション能力が高い
(2)業務遂行力がある
(3)リーダーシップを発揮できる
(4)信頼感がある
(5)指導力がある
(6)観察力や洞察力がある
(7)分析力と問題解決能力が高い
(8)冷静さをもっている

 

(1)コミュニケーション能力が高い

マネジメントを行う上では、メンバーの能力や可能性を最大限引き出すことが重要です。そのためは、メンバーの話を聴きメンバーの考えを理解する力、メンバーに理解してもらいたいことを理解できるように伝える力、つまりコミュニケーション能力が必要です。コミュニケーション能力が低いと部下の能力を発揮させることができず結果につなげることができなかったり、指示がうまく伝わらず認識にずれが生じてしまったりするリスクがあります。また日常の何気ない会話でも、普段からのコミュニケーションを重ねることで、信頼関係も構築され、部下自身が自分の可能性に気づけるきっかけになるでしょう。

 

(2)業務遂行力がある

マネジメントを担当している人には、プロジェクトの納期に合わせて計画を立案、完了させる能力が要求されます。業務の進行中は定期的な進捗確認を行い、納期までに完遂できるように仕事の配分を計画、調整することがプロジェクトマネージャー(PM)に要求される役割です。そして、限られた予算・人員を運営して業務を遂行するには、周囲の状況を客観的に把握し、問題解決に向けた対策を論理的に考えられる能力が求められます。進捗の遅れ、仕様変更などの問題が発生した際に、冷静に適切なリスクマネジメントを行える人は、マネジメント能力が高いといえます。

 

(3)リーダーシップを発揮できる

マネジメント能力が高い人は、強い責任感とリーダーシップを兼ね備えています。例えば、想定外のトラブルが発生した際にも、臨機応変に対応策を指示し、解決するまで責任を持つことのできる人は、チームメンバーにとって非常に頼りになる存在であり、メンバーからの信頼を得ることができます。このように、チームを前進させ牽引できるリーダーシップの発揮と高い責任感を持って仕事に取り組む人は、チーム全体のモチベーションを高めることもできる、マネジメント能力が高い人であると言えます。

 

(4)信頼感がある

マネージャーとして適切な仕事が行えている人は、自身のチーム内だけでなく、社内外で信頼を集めることができています。トラブル対応や指示出しなどのマネジメントで優れた能力を発揮できる人は、基本的な仕事の進め方においても確実なため、社内やクライアントからの評判が高まり、社内外から信頼されています。

 

(5)指導力がある

マネジメントでは、チームメンバーが持っている能力を発揮できるように指導、サポートすることが必要です。マネジメント能力が高い人は、本人が主体的に考えて動くように指導できるスキルが優れています。チームメンバーの業務適性や目指す姿を理解した上で、メンバー自らが目標実現に向けて主体的に考えるように促せる人はマネジメント能力が高いといえるでしょう。

 

(6)観察力や洞察力がある

業務の担当やチームにおける役割分担を行う際に、チームメンバーの適性に合わせて人員配置を行う必要があります。適切な人員配置を行うためには、日常会話、普段の仕事ぶり、面談などを通して、メンバーそれぞれの業務適性を把握することが重要です。そのためチームの状態やひとり一人の状況を適切に観察、把握できる洞察力がある人は、高いマネジメント能力を備えているといえます。

 

(7)分析力と問題解決能力が高い

目標実現に向けて、チームの戦略を決め、メンバーに適切な指示を行うには、論理的な現状分析に沿って計画策定や指示出しのできる分析力と問題解決能力が必要です。論理的かつ客観的な視点で物事を捉えることをロジカルシンキングといい、現状を分析する際や問題を解決する際に欠かせない思考です。

また、業務の進捗や、チームメンバーの状況などを的確に把握するにも、高い分析力が要求されます。そのため、ロジカルな思考に基づいて現状を把握できる人は、マネジメント能力が高いといえるでしょう。

 

(8)冷静さをもっている

マネジメントを行う際は、急なトラブルに直面してしまうこともあるかもしれません。そのため、どんな場面であっても正確に状況を把握し、最善策を導き出せる冷静さが求められるのです。

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マネジメント能力が低い人に共通する特徴

マネジメント能力が低い人を起用した場合、業務効率の低下や、従業員の負担増加などの問題が生じるリスクが高くなります。マネジメント能力が低いとされる人には、いくつかの共通した特徴があります。

 

【共通する特徴】

(1)スケジュール管理が苦手
(2)優柔不断である
(3)責任感がない
(4)感情の起伏が激しい

 

(1)スケジュール管理が苦手

計画的なスケジュール管理が行えていない人は、作業の優先順位付けができていなかったり、工数の見積もりが正しくできていなかったりするなどの特徴があります。そのため、適切なスケジュール管理が行われていない場合、マネジメント能力が低いと考えられます。

また、メンバーのスケジュールや適性などを客観的に見て指示できない人も、マネジメント能力が不足しているといえるでしょう。客観的な視点を持たずに指示を行うと、作業配分が曖昧になりやすく、業務効率の低下を引き起こすリスクにつながりかねません。具体的には、優先度の高い仕事が後回しになったり、特定のメンバーに負担が集中したりするといったリスクが挙げられます。

 

(2)優柔不断である

トラブル対応や作業方針の共有などを行う際に、優柔不断な対応を行う人はマネジメント能力が低いといえます。リーダーとしての対応が必要になる局面では、素早く明確な判断を行うことが要求されるでしょう。しかし、トラブルに対して優柔不断な対応を行う人はメンバーからも不安視されやすく、トラブル対応が遅れる、業務効率が低下するといった問題を引き起こすリスクがあるのです。

 

(3)責任感がない

仕事上のミスを起こしたときに失敗を認めない、責任逃れを図るといった対応をよく行う人も、マネジメント能力が低いでしょう。ミスを放置しているとプロジェクトへの悪影響を及ぼす場合があり、責任逃れをしている人はチームメンバーから信頼されにくくなります。

 

(4)感情の起伏が激しい

冷静さが無い人に一貫性のある指示を行うことはできません。感情に起伏のある人がリーダーを務めた場合、チーム内のモチベーション低下や、業務効率低下といった問題を引き起こす恐れがあります。

 

マネジメント能力が高い人に共通するスキル

マネジメントを行う際には、指導する立場として成果につなげるために、さまざまなスキルを持っていなければなりません。ここでは、マネジメント能力の高い人が共通して持っているスキルについて解説します。

 

【共通するスキル】

(1)プロジェクトマネジメント力
(2)意志決定力
(3)ファシリテーション力
(4)コーチング力
(5)テクニカルスキル
(6)アカウンタビリティスキル

 

(1)プロジェクトマネジメント力

メンバー間の仕事の割り当てや、プロジェクト完了までのロードマップを計画し、随時調整できる能力はマネジメントを行う上で欠かせません。適切な進捗管理をすることで、メンバーにどの程度の負担がかかっているか、懸念事項が無いかを把握できるなど、高い次元でのマネジメントが可能になります。

また、メンバーのレベルアップも視野に入れた仕事の割り振りを意識できるようになるため、高い進捗管理能力を発揮することは人材育成にもつながります。

 

(2)意志決定力

権限を与えられているマネージャーは、さまざまな場面で意思決定力を試されます。決断や決定の権限があるということは、相応の責任を伴うということを意味します。そのため、自身の下した判断にしっかり責任を持つ必要があるのです。

また、メンバーに対して高い意思決定力を見せることは、チームにおける信頼とリーダーシップの構築にもつながります。強いリーダーシップを発揮し、チーム内で意思統一を図ることができれば、メンバーは安心して働くことができ、トラブル発生時もスムーズな対応が可能になるでしょう。

 

(3)ファシリテーション力

ミーティングなどの場では、意見の対立や衝突は避けられないでしょう。こういったシチュエーションで場を収拾し、議題への回答や解決策をスムーズに導き出せるように調整する能力をファシリテーション力といいます。

プロジェクトはチーム単位で行うため、ミーティングは欠かせません。チームをまとめるマネージャーにとってファシリテーション力は必須の能力といえます。メンバーの意見を漏れることなく引き出し、円滑に議論を行うことで、チームの方針を共有しやすくなるというメリットが見込めます。

 

(4)コーチング力

長期的なビジョンでチームの生産性を向上させていくには、人材の育成は欠かせません。しかし、メンバー全員をマネージャーのみでフォローアップすることは現実的に難しく、マネジメント業務に支障をきたすことも考えられます。

そこで、鍵となるのがビジネスコーチングです。ビジネスコーチングとは、単に仕事を教えるのではなく、問題について自身で考えることを促し、自発的にアクションを起こせる能力を育成する手法です。自発的に行動を起こせる部下を育成することで、メンバー間の相互フォローが可能になり、それが高い生産性につながるでしょう。

コーチングスキルは傾聴・質問・承諾が基本です。しかし、時には叱らなければならない場面もあるでしょう。コーチングにおいては叱り方にもポイントがあります。「叱る」と「怒る」では意味合いが異なります。怒るということは自分主体で感情をぶつけているだけなので、相手に伝えたいことが伝わりません。コーチングにおいての叱るは「結果ではなく、行動にフォーカスする」「一方的に責めない」といったことを意識し、相手主体のコミュニケーションで、相手が自分自身で改善の一歩を踏み出せるようにサポートしていきます。

 

(5)テクニカルスキル

管理職を担う場合、チームのマネジメントが主な役割ですが、実務においてのある程度のテクニカルスキルも要求されるでしょう。例えば、営業職であれば自社製品のセールスポイントや営業のノウハウ、制作であれば各種ソフトウェアの使用法やWeb、印刷に関する知識などが挙げられます。

プロジェクトに関するスキルを持っていれば、あるメンバーの進捗が遅れている場合などにフォローに入ることができます。またメンバーから仕事内容に関する相談を受けた際も、実際の技術を習得していれば的確なアドバイスをすることが可能です。

 

(6)アカウンタビリティスキル

専門知識を持ち合わせていない相手にも理解しやすい言葉で説明できるスキルをアカウンタビリティスキルといい、「説明責任」「成果責任」と和訳されることが一般的です。

このスキルを持っていることで、チーム内での情報共有が確実なものとなり、また、外部へプロジェクトの方針や進捗を説明する際にも役に立ちます。マネージャーというチームをまとめる立場上、必須のスキルといえます。

 

マネジメント能力を向上させるための研修

マネジメント研修というと、”どんなテクニックで部下を育成すれば良いか”という視点に捉われてしまいがちです。確かに、”部下を理解するための聞き方”というような傾聴のスキルや、”部下に伝わる話し方”、”チームのまとめ方”というようなマネジメントのスキルなど、コミュニケーションのテクニックや知識・スキルを磨くことは重要です。

しかし、テクニックの部分だけ学んでも、そのスキルを間違った方向に使ってしまうと、結果的にそれらは効果性の低いものになってしまうでしょう。そのため、マネジメント研修においては、小手先のテクニックだけなく、部下育成、チームづくりにおける”考え方・在り方・姿勢”というような、土台となる部分をしっかりと鍛えることができる内容にすることがポイントです。

そのような中で注目したいのが、「スティーブン・R・コヴィー」の著書である『7つの習慣』をベースにしたマネジメント研修です。『7つの習慣』に関しては既に一読しているビジネスパーソンも多くいらっしゃることでしょう。書籍で語られている、継続的に得たい成果を出し続け、中長期的な人生の成功を実現していくために重要な7つのメソッドは、世界中に影響を与え、数多くの実績を残しています。

このメソッドを「ビジネスの現場でどう活用するか」にフォーカスした内容で実践的に学べるのが、弊社FCEトレーニング・カンパニーが提供する「7つの習慣®Business Ownership研修」です。ひとり一人が自立・自走し、会社の「組織」や「各部門」、「チーム」が、今よりもひとつ上のレベルで相乗効果を発揮するためには、”具体的に、何を、どのように実践していくのか?”を徹底的に考えるプログラムです。

 

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この記事を書いたコンサルタント

松村 聖也 (株式会社FCE)

東証一部上場コンサルティング会社にて、営業職に従事、北海道東北地区を担当し、トップセールスの成績を収める。
経営者・管理職・教員に対して、20,000名以上に対して研修を実施するとともに、年間約200社の経営相談を行う。外郭団体における役員としてトレーニング講師も務める。

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