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叱ると怒るの違いとは? イライラしてしまう原因を知り、上司として正しく叱る方法を学ぶ

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2017/03/13


「叱ると怒るは何が違うんですか?」

たまにこんな声を、組織のマネージャーから、よく聞きます。もしかすると、あなたもマネージャーとして、この違いが分からず、叱るということについて悩んでいるかもしれません。もしくは、叱ると怒るの違いについては既に学んでいて、その違いをなんとなく知っていたりするかもしれませんが、今日は改めて、叱ると怒るというのは何が違うのかを正しく知り、正しく叱る、ということについて考えてみましょう。

 

叱ると怒るの違いとは? 上司が抱える叱る時の悩み…

先日の研修で、「叱ると怒るの違いって何だと思いますか?」と、多くのマネージャーに聞いてみると、『叱る』は相手のためを思って注意を促す、とか。『怒る』は、「怒り」という言葉を使っているから、感情的になってしまうことだ、という回答がありました。

うん、まさにその通りですね! 結構、この違いについては、みなさん理解はしているようです。ところが、さらに意見を聞いてみたら、こんな声ももらいました。

「部下を叱ろうとは思うんだけれども、どうも感情的になってしまって、うまく叱れないことが多いんです…」

という声です。なるほど、、そうなんですよね。結局、叱ると怒るの違いについては頭では分かってはいて、相手の行動や言動を正そうと思って、きちんと叱ろうと思っても、いざ叱る時になると、ついつい感情的になってしまって、相手のモチベーションを下げてしまうことってあるんですよね。そして、「あ~、そんなつもりじゃなかったんだけどな…」と後で反省するってこと、よくありますよね。

逆に叱られる側として、不満に思うこととして多いのも、「自分が悪いと分かってはいても、感情的に叱られると、とても我慢できない…どうしても受け入れられない。」ということなんです。これもよく分かりますよね。何かミスをしてしまって、自分でも悪いことをしたな、とは思っている。だから反省して、改善しようとは思っているけれど、上司から頭ごなしにガツンと、そして延々と怒られ続けると、「そんなこと分かってますよ!(怒)」みたいな感情になっちゃうんですよね…

つまり、頭では叱ると怒るの違いが分かっていても、なかなか叱ることを実行できないということが課題のようです。

では、なぜ、このようなことになってしまうのでしょうか? そして、どのようにすればこのように怒られるということがなくなるのでしょうか? そのために、そもそもなぜ人はイライラしてしまうのか? について考えてみたいと思います。

 

なぜ、上司はイライラしてしまいやすいのか?

上司であるあなたには、頭の中に「あってほしい姿」というものがあります。「あってほしい姿」とは、つまり、「自分の中では、これは、こういう風にあってほしいんだよな。」とか、「この仕事はこういうもので、このぐらいの質であってほしい。」とか、「お客様にはこういう対応をしてほしい。こうしなきゃダメだ。」とか、「私への報連相はこうあってほしい。こうすべき。」というのが「あってほしい姿」です。

なんとなく分かりますよね? 「営業マンなら、絶対に目標達成をしてほしいし、そのために全力を尽くしてほしい。」上司は、立場として、数字や組織の「あるべき姿」に対して、責任を持っています。そしてそのための仕事をたくさん持っています。だから、管理職として、上司として部下に対して、たくさんの「あるべき姿」を思い描きます。

だからこそ、上司は、これに満たない現状、そしてギャップが生まれやすく、そこにイライラした気持ちが生まれてしまうのです。ちなみにクレームというのも、これと全く同じ心理から生まれてきますね。

 

上司の怒りの抑え方、叱り方

「あるべき姿」とギャップができた時、あなたの中に怒りがこみ上げてくると思います。つまり、「あってほしい姿」と「あってほしくない姿」の間のギャップが広がり、「え、なんで…?」と、自分の中に怒りがフツフツと湧いてくるのです。これはもう仕方のないことです。あるべき姿にならないのですから。当然ガッカリしたり、イラッとしたりすると思います。それ自体はしょうがありません。しかし、ここで怒りが自覚できたら、考えてみてください。いったい何と何のギャップでこの苛立ちが生まれてきているんだろう? と。

一回考えてみてください。そして分析をしてみてください。「私にとってのあるべき姿は、こういうこと。そして現状はこうなっている。だからこんなギャップが出てきてしまっている。」と。これであなたは、すこしだけ冷静になることができ、怒りがそのまま外に出ることはなくなります。「え…そんなので怒りが収まるの?」と思うかもしれませんが、意外と冷静になります。

自分は今、何が原因でイライラしているんだろうか?と考えてみるのです。そのうえで、「ギャップに対してイライラする」のは、当然ですが自分なんですね。そこに気付くんです。自分にとっての「あるべき姿」だし、自分にとってこの現状はあるべきでない姿なんです。でも、それは、自分から見た自分目線でしかないんです。これを、部下の立場に立って、彼らからしてみたらどうだろうか? と置き換えて考えてみるんです。

彼らからしたら、一生懸命やった結果の失敗かもしれないし、上司の期待に応えようと、お客様のためにやろうとした結果、好ましくないものになってしまったのかもしれません。怒りが発生しているときは、どうしても自分視点での物の見方が強くなってしまいます。当たり前ですが。自分目線での、「あるべき姿」とのギャップに苦しみます。そこで、彼や彼女にとってみたらどうなんだろう? と考えることで、怒るから叱るに変えやすくなります。絶対とは言えないですけれど、変えやすくなります。

理屈では分かるけど、それってどうなの?と思う人もいるかもしれませんね。でも、実は私も感情的になるタイプだったのですが、それをどのように変えていったかのか? が、この考え方だったんです。

 

上司が持つべきスタンス

そのうえで、上司や先輩、リーダーであるあなたに持ってもらいたいスタンスが、これです。

『部下の行動の責任は、上司である自分にある。』

「あるべき姿」とのギャップが生まれ、イライラしてしまった時に、自分を一回チェックする。「これ、教えてなかったんじゃないか」とか、「言い方が悪かったんじゃないか」とか、「伝えたのが遅かったんじゃないか」とか。「あいつが悪い!」と、部下が良くないということを決めつける前に、まず自分自身の行動をチェックしてみましょう。すると、注意する時の言葉が変わってきますよね。

私も自分と立場の近い上司とかと飲みに行ったりすると、部下に対して「あいつ、なんでできないんでしょうかね…」なんていう話が一つや二つぐらい出たりもします。

そういう話が出てきたときに、これをやるんです。

「でもそれって、私たちの責任じゃないですかね? どうすればいいでしょうか?」

これをやると、ちょっと気持ちがおさまってくるんです。

「そうですね…どうすればいいかな? じゃあ◯◯を変えてみようかな?」みたいな感じで。繰り返しやってみると、徐々に変わってきますので、相手のために叱るというのが自然とできるようになってきます。やっぱり相手のために叱らなければ、上司や先輩、リーダーであるあなたの言葉が力強いものにならないんですよね。

「ったく。この人(上司)、自分が気にいらないから、って怒ってるんじゃないの…?」とか、「とかなんとか言って、結局自分のために怒ってるんじゃないの?」とか、そういう風に思われてしまうと、あなたの影響力は極めて低くなってしまいます。そして、叱る時は、部下に期待をもって、叱ってあげてください。

部下への期待がなかったら、叱る必要はないですから。改善し、成長し、そして成果を出してもらうために叱るのですから。このあたりは感情の部分でもありますので、難しいところではありますが、是非覚えておいてください。

いかがだったでしょうか?

叱ると怒るの違いについては、多くのマネージャーは理解しています。しかし、正しく叱れず困っているマネージャーはとても多いです。怒りは、あなたのあるべき姿と現状にギャップができた時に生まれます。イライラするのは仕方ないことです。ですが、その時にその怒りを自覚し、『部下の行動の責任は、上司である自分にある。』というスタンスで、期待を持って叱る時は叱る。「なぜ、できないの?」ではなく、「どうすればできるか?」を考えてください。

以上、荻野純子(おぎのじゅんこ)でした。

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荻野純子

荻野純子

株式会社FCEトレーニング・カンパニー 取締役 専属講師 一部上場コンサルティング会社にて人材開発事業部・新人研修を始めとする社内研修講師職を経て、現在はトレーニング・カンパニーのメイン講師として、年間約270回の研修を実施。メーカー・サービス業を始め、金融機関、商工会議所などでの研修実績多数で、新人から管理職、経営者向けまで幅広い層への研修を行う。研修満足度は平均99%を誇り、研修導入企業でのリピート率は8割を超える。2013年3月には「マネジメント力向上講座」「セールスマナー講座」等のDVDが販売開始。現在研修が3か月予約待ち状態の、超人気講師。

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