• HRレポート
  • 2022.03.10

生産性向上とは?企業へのメリットと具体的な7つの対策

ビジネスパーソンであれば、誰しも一度は耳にしたことがあるであろう「生産性向上」という言葉を聞いて、どんなイメージを持つでしょうか?
少し前の世代だと、「生産性向上」というのは、製造業の現場でよく用いられていたと感じるかもしれません。
しかし現在では製造業に限らず、様々な業種において、この「生産性向上」という言葉が使われています。なぜなら、あらゆるビジネスは生産性を向上することにより、成長できるからです。
今回は、そんな生産性向上の重要性や、ビジネスへの取り入れ方などを紹介していきます。

【目次】

 

生産性向上とは?

「生産性向上」を簡単に説明するのであれば、それは「インプット」と「アウトプット」の比率で、アウトプットの比率を増やしていくことを意味します。

インプットとはすなわち、企業が投入する人材や時間、資本といったリソースで、アウトプットとはその成果、つまり端的に言えば売り上げということになります。いかに少ないリソースを活用して、大きなアウトプットを得るかというのが、生産性向上の考え方となります。具体的な方法は大きく以下の3つです。

 ①アウトプットを減らさずに、インプットを極力減らす方法

 ②インプットを増やさずに、アウトプットを増やしていく方法

 ③①と②のその両方を兼ね備えた、インプットを減らし、アウトプットを増やしていく方法

ただし、この生産性向上に取り組む際に気をつけたいのが、アウトプットのゴールを何にするかについてしっかり検討すべきということです。売上ベースだけで目標を作ってしまった場合、もしかしたら利益が落ちてしまうかも知れません。そんな時は、付加価値労働生産性を意識してみると良いでしょう。付加価値とは、売り上げから原価などを引いたものを意味し、この付加価値を増やしていくことが利益の増大につながるからです。

生産性向上と業務効率化の違い

生産性向上に取り組もうとすると、まず頭に浮かぶのが「業務効率化」なのではないでしょうか。もちろんそれも一つの手段ですが、生産性向上と業務効率化というのは、似ているようで全く異なる存在であることを忘れてはいけません。

生産性向上の手段として業務効率化は有効な手段と言えますが、生産性向上を業務効率化と取り違えてしまうと、思ったような成果が出なくなってしまいます。なぜなら、業務効率化というものは、無駄を減らすために業務改善していくことを意味しているため、対応するのは業務だけに限られてしまうからです。そうなると、その他の人材や資源などのリソースについては、基本的には触れられません。

しかし、生産性の向上は消費するリソースを低減しながら、生産量を向上するわけですから、業務以外の様々な要因をチェックして、改善しなければなりません。

もし生産性向上を業務効率化と取り違えてしまうと、近視眼的な施策しか企画できず、結果としてアウトプットが増えない、あるいはインプットが減らないという結果になってしまいます。生産性向上はより幅広い視線で取り組んでこそ、初めて成果を発揮するのです。

生産性向上の重要性

これで生産性向上がどんなものかをイメージできたはずです。次に、生産性向上の重要性についてチェックしていきましょう。

労働力人口の減少

まず、生産性向上が必要となる大きな要因が、労働力人口の減少にあり、この傾向は今後も続くとされています。そうなると、これからの企業は減少する労働力人口のリソースでアウトプットを現状以上に保たなければならないため、生産性向上は必須となってくるのです。

国際競争力の激化

ビジネスのグローバリゼーションは、今や日本国内の産業においても例外ではなく、国際的競争力のある企業でなければ生き残ることは難しい時代となっています。日本の国際競争力は主要先進国の中でも、低いレベルにあると言われているため、状況は非常に厳しいと言えるでしょう。国際的な競争に生き残るためには、生産性向上こそ取り組まなければならない課題なのです。

生産性が落ちる理由

生産性を上げなければならないということは、考えようによっては現在の生産性が一定のレベルに達していないとも言えます。では、生産性が落ちる理由というのは、一体どこにあるのでしょうか。

長時間労働・時間外労働

生産性が落ちる主要な理由の一つに、長時間労働や時間外労働による、従業員のパフォーマンスの低下が挙げられます。生産性向上のみをゴールにして近視眼的な施策を実施すれば、従業員一人当たりの負担が増え、その結果効率が落ちてしまう可能性もあります。従業員の業務負担が増えると心身ともにストレスを感じ、場合によっては健康を害してしまうことすらあるでしょう。

生産性向上を実施する際には、長時間労働や時間外労働の増加などのような、従業員の負担を増やすような施策は避けるのが正解です。

過度なマルチタスク

マルチタスクというのは、一人の従業員に同時に複数のタスクをこなさせることを意味します。原則的に人間はこのようなマルチタスクにはむいておらず、一つのタスクを順番にこなしていく方が効率的に動けます。そのためリソースを減らすために従業員に複数のタスクをこなさせようとすると、計画通りに業務が進まず、結果として効率が悪くなってしまいがちなのです。

生産性向上を実現するためにはこのように従業員に負担を強いるような安易な取り組みではなく、異なるアプローチをメインに実施しなければなりません。

 

生産性向上による企業のメリット

生産性向上が実現できれば、企業にはどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは4つのポイントにまとめて紹介していきます。

ワークライフバランスの改善による従業員のモチベーションアップ

従業員の視線から見れば、正しい形で生産性を向上できれば自分の時間の余裕が増え、ワークライフバランスが向上します。ワークライフバランスの改善は、従業員のモチベーションを向上させ、さらに生産性が上がる可能性もあります。

市場における競争力の向上

生産性を向上できれば、当然ですが競争力が高まります。国内の競合に対して優位に立てるのは当然ですが、グローバリズムの中の国際的競争力を高めることこそ、これからの時代には必須課題となります。

全体コスト削減

生産性の向上の基本には、コスト削減があります。コスト削減というのは、一度削減できればその後も継続的に保持できるものです。削減したコスト分を他のリソースに対して投資できるのも大きなメリットです。

人手不足に対する求人コストの削減

現在は慢性的な人手不足の時代となっています。そのため求人コストも高くなりがちですが、もし生産性を高めることで必要となる従業員数が少なくなれば、求人コストも抑えることが可能となります。

生産性向上の方針の決定方法

このように、生産性向上によって様々な効果が期待できます。また、これからの時代はこのような取り組みで大きな改革を実施しなければ、生き残れないという切迫感もあるかもしれません。

では、実際に生産性の向上に取り組もうとした場合、どのようにその方針を決定していけば良いのでしょうか。ここでは、その具体的な方法をご紹介します。自社にとって、どの方法がベターなのかを事前にしっかり検討し、まずその方針を決定しましょう。

投資の縮小型

ここでいう投資というのは、人材や資金、時間などのリソースを使用するという意味です。まずはインプットするリソースを減らし、生産数や売上などのアウトプットはキープするという方法です。このパターンでは、売り上げは増えませんが各種コストを減らすことで付加価値を増やせます。まずは付加価値を増やし、余裕を持ちたいという場合に有効です。

投資と成果の縮小型

事業の縮小・撤退などの大規模なコストカットで、投資を減らす方法です。投資を減らした分、アウトプットも減少する可能性がありますが、生産性の質を上げるために実施します。

成果の拡大型

縮小の反対で、成果を拡大するというものです。成果というのは従業員のスキルアップ、新しいノウハウの導入などによって実現できます。このような新しいプラスアルファの要素によって、従業員数など(リソース)はそのままに、成果を増やすことが可能となります。

投資と成果の拡大型

投資と成果を同時に拡大するというものです。この方法は人材などのリソースを増やして、売上をそれ以上に上げるということになります。ただし投資と成果の比率を保ったまま増やしても、それは生産性が上がったことにはなりません。生産性を上げることを意識するのであれば、投入した投資よりも多くの成果を上げる必要があります。

 

生産性向上の取り組みにおける7つの対策

いざ生産性を上げようとした場合、どこから取り組めばいいのか、具体的な施策に戸惑うこともあるかもしれません。生産性向上のためには当たり前ですが、これまでやってきたことのない、新しいチャレンジが必要となります。さらにその手法としては、前述の投資と成果のどちらに比重を置くかも重要なポイントとなります。

自社の現状を分析し、人材に対してのアプローチの余地があるのか。それとも業務フローを見直すべきなのか。デジタルなどのテクノロジーの活用は十分かなど、現状の課題を見つけだしてから、それを改善するための対策を練り上げてみましょう。

1  適材適所の配置と人材育成

適材適所という言葉は昔から使われていますが、企業においてそれを実施するためには、業務の内容と人材のスキルをきちんと把握しなければなりません。

また、それぞれがどんな仕事をしたいか、どの部署に所属したいかなどの情報も、しっかり把握しておきましょう。ひとり一人が、自分のやりたいことを実現できる環境づくりは、従業員のモチベーションアップにも繋がります。そして、それらに伴い、スキルをより向上できるような人材育成にも注力するべきです。

2 無駄な工数の洗い出し

従来の業務フローを使い続けていると、時代に即した形で業務が遂行できなくなる場合もあります。新しい考え方やノウハウ、あるいは設備などを使用することで、工数を削減することができないかを検討しましょう。業務効率化を最も端的に実現できる方法が、このように、無駄な工数を洗い出してアップデートするという方法なのです。

3 テクノロジーの導入

現代のビジネスにおいて、テクノロジーは絶対に無視できない要因です。とくにIT、デジタル系の変化のスピードは早く、テクノロジーの進歩を無視していると、あっという間に競合に差をつけられてしまいます。常に自社に関連する最新のテクノロジーに関する情報に注目し、取り入れていくことが業務効率化にもつながります。

4 従業員のスキルアップ

従業員のスキルアップなしで、生産性の向上に取り組んでしまうと、コストダウンや経費削減などの節約がメインとなり、実質的な生産性が上がらなくなりがちです。生産性向上とは文字通り、いかに生産効率を上げるかが重要ですから、それにつながる従業員のスキルアップに取り組むのは、必須条件とも言えるでしょう。それに伴い、従業員に対して自分がスキルアップしたくなるような動機づけも必要です。

5 情報共有の仕組みづくり

業務改革や業務フローの改善は、実践的な取り組みやノウハウから生み出されます。そのようなノウハウは一部に情報を集めるのではなく、いかに情報を共有し、すべての従業員が利用できるようにするかがポイントとなります。特に、IT化が進んでいれば、業務ノウハウのみならず、顧客情報や営業状況などの情報をしっかりと共有することで、生産性や売り上げが向上するはずです。個人が情報を独占するのではなく、全員で共有できるような仕組みづくりが大切なのです。

6 業務内容の可視化

業務内容の可視化ということも、生産性向上に繋がります。教育に関して言えば、実際に経験して学ぶことや、上司や先輩を見て学ぶということだけでは、足りないといえるでしょう。純粋に生産性という意味でも、業務を可視化、数値化しておけば、現状の課題を明確にでき、無駄やボトルネックなどの生産性向上への施策をはっきり浮き彫りにできます。

7 業務の自動化

今後ますますデジタルや機械化、そしてAIの導入などが進んでいきます。それに伴い、人がする必要のない業務をできるだけ自動化していくことで、人的リソースを有効活用でき、コストも下げることが可能となります。従業員の人件費を節約し、なおかつ効率化できる方策として、自動化を推進することも視野に入れておきましょう。

生産性向上のポイント

最後に、生産性を向上する際にはどんなポイントに気をつければいいかを見ていきましょう。

指標で管理する

生産性向上に取り組む場合、当然ですがどの程度の結果をゴールとするかを明確にしなければなりません。そのためには、どの程度の投資を節約するのか、そしてどの程度成果の数値を上げるのかという指標をしっかりと立てて、管理する必要があります。

さらに重要なのが、いつまでにそれを達成するかという期限の設定です。期限から逆算して、進捗をチェックしながら取り組みを進めていきましょう。

PDCAを回す環境・仕組み作り

ゴールと期限を明確にして生産性向上に取り組んだとしても、なかなか思ったような成果が出せないことも多いはずです。そんなときに忘れてはならないのが、PDCAの発想です。もし思い通り進まないのであれば、現状の問題点をしっかり洗い出し、新しいプランに反映させていきましょう。

まとめ

生産性の向上というものは、企業が今後成長し続けるためには、欠かすことのできない取り組みです。

まずは、生産性向上の意味をしっかり理解して、自社が現在どんな問題を抱えていて、それを解決するためには、どのような目的を持って実施すれば良い結果が出るのかを検討しましょう。

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